Sugar Ray

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"Sugar Ray"
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Sugar Ray

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 MTVで「ホエン・イッツ・オーヴァー」を見た友達が言った。「なんか(曲が)アイドルみたくなっちゃったよ」。アイドルいう表現は、少々語弊があると思うけど。初めてシュガー・レイと出会った、2作目「Floored」。激しく、かっ飛ぶ、お気楽だ!それが私の中のシュガー・レイであり、3作目「14:59」では、その爆走感がめっきり抑えられ(とはいうものの、いきなりデス・メタルで始まっていたけど)、「エヴリ・モーニング」や「サムデイ」が大ヒットした時は、首を傾げたものだった。でも、今作「Sugar Ray」を聴いて、優しいメロディ、叙情的な詩に初めて触れたような気もする。前のアルバムを聞き返してみると、そのメロディアスな部分は、どのアルバムにも充分あったし、勝手に作り上げたイメージに拘って、それに気がつかなかった。こんな「聴かせるいい曲」を作るバンドだったんだと、感心しながら聞き惚れてしまう、新たな発見と驚きのニュー・アルバム。

 1曲目から「アンサー・ザ・フォン」ってマークの甘い声で、切ない傷心の訴えに胸がキュッとなる。すべての曲で、その甘いヴォーカルが語りかける。特に今回のアルバムは、優しく、暖かいヴォーカルをとても大切にしている。マークのヴォーカルにも、成長と言ってはおこがましいけど、そんな感じがある。すごく感情が込められていて、歌が断然上手くなっている。

 メロディはアコースティックギターで柔らかく、DJもしつこくない程度に組み込まれている。歌詞が男の弱さを取り上げたものが多く、ずいぶんとデリケートでリアルなものばかり。全体的にポップ調の曲だけど、ロックンロール・テイスト濃い曲、カントリーっぽいもの、泣かせるメロディアスな曲と色彩り鮮やか。どの曲をシングルにしてもいいんじゃないか。穏やかなメロディとハーモニーが気持ちいい5曲目「ウェイティング」、マークの声が一番かっこよく聞こえる(個人的に)ポップな7曲目「ソーリー・ナウ」、8曲目「ステイ・オン」は真夏のビーチ!で、正にロックンロールな11曲目「ディザスターピース」。1曲1曲が強い個性を持ち「いい曲」満載。全曲通して飽きない。これ飛ばして次、なんていうのがない。

 4曲目の「サテライツ」で孤独感や嘆きを聴かせた後に、レコーディングの合間の戯れみたいなのもあり、6曲目の「アワーズ」で「フライ」がサンプリングされていたりする。ジャケットの裏では、誰もいない会場のステージ上で飛んじゃってるし、ブックレットの裏表紙には、恐らく自分たちが飼っているであろう犬たちがフル・ネーム(?)で紹介されてるし、楽しい人たちだ。どこかに、ちゃんとシュガー・レイらしい遊び心やアイディアが盛り込まれている。

 このアルバムが、しばらくシュガー・レイ離れしていた私を一気に引き戻した。「彼らが変わった」と失望した友達に。騙されたと思って聴いてみて。


reviewed by ali.
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