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今のUK新人バンドって不利な位置にいるよなーって思う。なんせ現在のUK音楽シーン、一発やが多いものだから、リスナーに、一曲聴いてそれで気にいってアルバム買ってがっかりした、といる経験が積まれてしまっている。そのため、どんなにラジオで聴いた曲が耳についたとしても、なかなか新人バンドのアルバムに手をのばすという機会は少なくなってしまったように思う。そのかわりにみんながこぞって買い求めるのは大物バンドの新作。だけどそれもイマイチ...っていう状況をうけて音楽業界も不況、なんて言われているのだろうか? (深読みしすぎ?)
そんな新人"一発や"バンドの悪い影響を受けているバンドの一つがこのMy Vitriolのように思う。このバンドもいわゆるUK新人バンド群で、いわゆるUK大型バンドの前座をこなしながら(過去にMuse、Mansun、Manics.そして近い将来Feeder)じょじょにその知名度を広げているバンドの一つだ。ラジオでも頻繁にシングルカットされた曲がオンエアされ、そのシンプルでさわやかなポップソングが耳についてはなれない。わかりやすく説明するとしたら、Placeboの1STをもうちょっとさわやかにしたかんじ、といったところか。影響には、Sonic YouthやNirvana(Vo.サム君の外見も手伝って)も感じられる。
ただ、My VitriolはUKロックシーンに充満している"一発や群"ではない。それはアルバム、Finelinesを聴いてもらえば充分に承知していただけるはずだ。My Vitriolをもっと不利な状況におかせているのは、彼らのシングルカットの曲の面々。シングルカットされた曲はすべて、けっこうさわやかでポップな...鼻歌でおもわず歌ってしまいそうな曲たちなのだ。しかも各曲が似たよっていて、けっこう聞き分けがつかない。楽曲じたいはしっかりしているし、おっ、と思うのだが、いざボーカルがはいると、そのメロデイラインが他の曲と似たよっているように感じる。
この2つの要素のため、たぶんリスナーはこのバンドを気にとめてもアルバムに手を伸ばす機会は少ないだろう。だが、アルバムじたいはびっくりするほどの完成度。一回聴いたら驚いてしまう。特に彼らのインストの曲は、あまりに深くて、ドラマチックで、そして哀愁をおびていておもわず引き込まれてしまう。
激しいギターなのに美しくて暴力性をおびない。現在の多くのバンドの曲に感じる、パックされた製品化、ではなく、ナマで響いてくる音。それを作れるバンドは少なくなってしまったように思う。だが、それをMy Vitriolはかりそなえてると思うし、伸びがあるため、これからもも?ともっと意外な方向性をもって成長していくバンドだと思う。
reviewed by 高橋絵里.
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