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私は今まで別にくるりに興味を持ってはいなかった。発音さえもままならないのである。「く」にアクセントがくるのか、「る」にアクセントがくるのか?どちらなんでしょう?
ボーカルの岸田がグレイプバインの田中に似ているとか、鉄道マニアだとかどうでもいいことしか知らない。私はくるりとはめがねをかけたさえない人がぱっとしない曲をやっているバンド、というなんとも失礼な解釈をしていた。要するに聴かず嫌いだったのだ。たまにラジオから流れてくるくるりの曲を聴くと、売れない古着屋のすえた匂いを思い出した。
なぜ今回の曲を聴く気になったのかというとスーパーカーのミキちゃんが参加しているからである。ミキちゃん効果なのかどうかはしらないがこの曲、今までとは違うものになってます。まず聴いたときの匂いが違うのだ。しとしとと雨が降って、やんだあと空気が浄化されてとても気持ちよくなった冬の海辺のような感じだ。
ミキちゃんのコーラスによって、透明感が増している。でもなぜかうすーい幕で二重にも三重にもやさしく包まれた音がする。幕を張ることで煙に巻かれているような気さえする。とっても単調な音なのに何度聴いても飽きないのはこのせいかもしれない。実際曲自体はとても単調なものだ。学校の音楽室にあるような安物のピアノで(実際はどうか知らないが、そう聞こえる)タリタリタリタリとやっているだけである。かっこいいギターソロがあるわけでもなく、さびの部分でどかっと盛り上がるわけでもない。なのにまるで中毒になったように何回も聴いてしまうのだ。そしてなぜか清い気持ちになってしまう。歌詞を聞くともっと清くなってしまう。切なさ満開だ。
なぜばらの花なのかはわからない。ばらというと毒々しくてとげがあるイメージしかないのだが。そこがこの曲の深いところなのかもしれない。
reviewed by とだかなこ.
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