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CDを買って一番悲しいのはその場ですぐに聞けないことだ。家に帰ってからプレイヤーに乗せるまでの間できるのはジャケットを眺めるくらい。その間は永遠のように感じる。「暴かれた世界」のジャケットは久原であるらしい。私は久原が一番好きなので今回に限ってはジャケットを眺める時間が長くは感じなかった。私は去年のフジロックで久原と偶然出会い、握手をしてもらった。実際の彼は身長こそ小さかったが、その手はドラマーの手だった。ゴムのような感触で身長に似合わず大きくて、すべてを包み込むような力強い手だった。
どの曲でもそうなのだがミッシェルの曲を聴くときドラムの音を意識して聴いてはそのことを思い出しドキドキしてくる。今回も例にもれずドキドキしながら聞いている。特にいいのが、「パーティーは終わりにしたんだ」と「暴かれた世界は」の二つのフレーズの間にある短い間である。ほんの一瞬の間の後久原のドラムが爆発する。そこがたまらない。すべての始まりと終わりが一緒に来たような衝撃を受ける。こんなにすごいドラマーが日本にいるだろうか? 私の中では彼が日本一のドラマーだ。
私は「暴かれた世界」と聞いて勝手にラスベガスのようなぎらぎらした世界を想像していた。それはまったくの間違いだった。「暴かれた世界」とはコンクリートの雪が凍っていたり、大地はモノクロームだったりする。こうは書いたものの、私はチバの書く、暴かれた世界を完全には理解できないでいる。ただ、なんだかわからないが脳の核の部分(地球言えばマグマがぐつぐつ言ってる辺)にまでとどいてきて、ぐちゃぐちゃにして去っていく。ぐちゃぐちゃになった脳はまさにマグマ状態で、さめるのに時間がかかる。というか永遠に音が鳴り続けている。それはチバ独特の世界観のせいだけではない。もちろんほかのメンバーの出してる音、チバの声すべてがうまく調和(というかぶつかり合うというほうが正確かもしれない)して、そして聞くものの心構えも加わって何万もの世界が生まれていくのだ。
reviewed by とだかなこ.
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