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時代は遂に2000年という時を刻み進み始めた。世界はパソコン普及率の急増などにより益々テクノロジー化が進み、地球全体における機械の占める割合が増えたように思われる。このままでは人間と向かい合う時間よりもむしろ機械と向き合う時間の方が多くなってしまうのではないかという懸念が持ち上がる。こんな時代こそ人間の感情というもの、つまり、フラストレーションを暴力や性に向かうのではなく、安全に消化させる装置として音楽は今後も多くの人に重宝されるであろう。2000年のロックの音としてあるひとつの方向性を示したのがこのMUSEというUKのニューカマーである。
緻密なエモーションを表出するボーカルといった点では同じUKのレディオヘッドと重なる部分があるが、レディオヘッドが深い悲しみの底で鳴っている音だとすれば、MUSEは深い悲しみの底から必死で脱出し新たなる感情を生み落とそうとしているのが感じられる。6曲目のSHOWBIZの歌詞にも「ずいぶん長い間感情をコントロールしている」とあり、ボーカルであるマシュ−・べラミーは自らの感情をコントロールして歌う事により瞬時における絶妙なタイミングで、その瞬間に最も当てはまった感情を吐き出す。最近あらゆるバンドのボーカルがエモ−ショナルなスタイルに変化する中、ここまでリアルに奇跡のファルセットによって感情を描き出せるボーカルは数少ないであろう。弱冠20歳にして...。
サウンド面も決してボーカルのインパクトに劣らず、3ピースバンドが出している音とは思えないほどヘヴィで厚みのあるドラスティックな展開を見せる。ペイヴメント、レッド・ホット・チリ・ペッパーズらのオープニング・アクトを務め、オーディエンスに激烈なパフォーマンスを披露し、UKの音楽誌NMEの読者投票において99年の最高の新人に選出されるなど非常に期待されている。2000年という時代の幕開けと共に現れた女神(MUSE)は現代の世の中のフラストレーションを吸収し消化させる為に現れ、リスナーである我々をエモーションの激流に落とし入れるであろう。
reviewed by アフロ
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