Gay Dad live at La Maroquinerie in Paris
 イギリスでは何かと噂のGay Dad。デビューアルバムのプロモーションでパリを訪れ、ワンオフのライブを行った。会場はマルキヌリー、小型のライブハウスだ。ほぼ予定通りの8時40分、ライトが落ちてメンバー5人が登場。ボーカルのクリフが軽く挨拶をして一曲目に入った。

 「おや?」と思った。結構上手いのでる。以前テレビで見た危なげな演奏には似ても似つかない。ボーカルも力強いし、声が良く出ている。CDで聴くよりはるかに“ロック”だ。

 ギターはやや弱めだが、キーボードがそれを補うのに十分な魅力を持っている。運指が正統で滑らか。To Earth with Loveの様なアップテンポの曲ではジャズ調のリズム、Different Kind of Blueの様なスローな曲ではきれいな硬質の音が冴えている。彼がポップ・ロック間のカタリストとしてGay Dadに貢献しているのは明らかだ。

 ステージは膝下の高さで、メンバーは文字通り目の前、簡単に掴める程近い。それでもボーカルはぎりぎりまで体を乗り出してくる。時には客の1人をターゲットに選び、じっと相手の目を見据えながら挑発するように歌う。この耽美主義的なパーソナリティはちょっとした見物だ。

 その日のクライマックスはJoy!。クリフの自信に満ちた開歌宣言にベースが続き、アップリフティングなドラムが重なる。伸びのるボーカルとトリガーを使ったドラムの弾ける音、それらをキーボードの柔軟な音が繋ぐ。まさに“Joy!”。爽快感と共にショウは終わった。

 ともするとクリフの挑発的な態度の方に注目を集めちなGay Dad。本国では両極端の評を得ているが、それらは音楽的な判断というより、彼へのリアクションに近い。彼らは10月に来日予定で、東京、大阪、名古屋のクアトロでギグをやるそうだ。ブリットポップ界の救世主か、或いは見せかけだけのはったりバンドか、確かめてみる価値は有るのではないだろうか。

Reported by N.M.


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