FOUNTAINS OF WAYNEの最新作の内容は、
そのジャケットが全てを物語っている。
例えば大雨の次の日、目的もなくフラフラと近所を歩く。
水たまりに映った空を何気なく見上げたら、
信じられないくらいの青空に、
ぽっかりと浮かぶ白い雲。
その壮大さに頭が真っ白になって、
今までうだうだと悩んできた自分がバカみたく思える。
何とも言えないさわやかな風が自分を追い越して
「うお〜!!気持ち良いぞ〜〜〜〜〜!!!」と
吠えたくなる瞬間。
下校途中の小学生や、
買い物帰りの近所のおばさんの目なんか気にせず
端から見たら怪しい人だけど、ひとり笑顔で前へと突き進む。
行くところ何て決まっていないのだけれど。
この作品を聞くとそんな場面が思い浮かぶ。
思いがけないところで、思いがけない感動を体全体で感じた時、
ぽいっと雲の上に放り出されたような気分になる。
私はFOUNTAINS OF WAYNEの音楽で、そんな気分になってしまった。
何気ない日常に潜んでいる、
何でもない出来事が自分の価値観をも変えてしまうかも知れない。
自分にとって一番得なことは何なのか、そんな事ばかり考えていて
真に重要なものが目の前から消えていく。
そうなると心に大きな穴が開いて、
いてもたってもいられなくなるから外の空気を吸いに出る。
こういう状況では一つ一つの出来事全てがバカらしく見えてくるのだけれど、
そんな中で一番バカなのは自分だと気付く瞬間は、
大抵誰が見たって何てことのない事に遭遇したときに限ってだ。
いつまでたっても寒くて寒くて、まだ冬だと思っていたのに
ふと足下を見るとアリが活動し始めていた、とか。
FOUNTAINS OF WAYNEの音楽は、
そんな「発見」の瞬間に頭から流れ出てくる音楽である。
人間誰しもが必ずくぐり抜ける道を、
音楽でさらりと飾っているかのようなその突き抜けるポップセンス。
生まれた場所も境遇も違うのに、懐かしささえ覚えてくるのは、
みんな同じ大空の下で生きているからに違いない。
だとしたら、実際にその大空の下で、
沢山の見ず知らずの人間と一緒に彼等の音楽を聴いたらどうなるだろうか。
彼等の音楽が鳴り始めた時、
私達は雲の上へぽんっと投げ出され、何もかもがバカらしく感じて、
次の瞬間、全く新しい何かが自分達の中で生まれてくるはずである。
それはきっと端から見たら、
一緒にそこにいた人間だけにしか感じることが出来ない、
全く理解できない世界に見えるかも知れない。
でもそう感じるのは、本当は誰もが持っている「発見のきっかけ」を
掴むことが出来ないでいる人であって、
私の感じたFOUNTAINS OF WAYNEのジャケットの世界を一度経験してもらえば
全てが分かることなのである。
Reported by ハイハイ
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