buttonSister Paul、戸川純BAND、MOST
@ 下北沢CLUB251 (2003年5月20日)
Sister Paul  ドアを開けると一面の人・人・人。詰め寄せた人々の数からも今日のライブへの期待と 興奮が伝わる。

 押しに押して一組目のSister Paulの登場。MOSTのイベントにSister Paulぅ?なんて最初に抱いていた違和感は100%良い方向へ裏切られた!めちゃくちゃパンク!そしてアグレッシヴ!グラム=粘着質という勝手なイメージを抱いていたのだがSister Paulは能天気な、と言えば聞こえは悪いが、竹を割ったような爽快感溢れるサウンドで、グラムという範疇に収まりきれないPOPさを併せ持っている。それ以上に猥雑極まりないルックスにもう釘付け。男×女×オカマの裏ドリカム現象?とも言うべきトリオ編成で、この3人のキャラクターがあってこそ醸し出し得るグルーヴに酔い痴れた。

戸川純BAND  Sister Paulが終わるとステージ前方にどっと押し寄せる人の波。やっとビールを買い戻ろうと思ったら途中で身動きがとれなくなり、結局中途半端な位置で観ることに。10分、15分…始まらない。ビールも飲み干してしまった。更に5分、10分…するとどうやら出てきたらしい(見えない)。戸川純その人である。1年前ライヴで見た時と比べ痩せてはいるが元気そうで一安心。消え入りそうなか細い声でボソボソ何かを喋ってはいるが殆ど聞き取れない。にもかかわらず、一旦唄いだすとその声は生気に漲り限りなく自由で軽やかな調べを奏でる。曲ごとに声は表情を変え、時空をも飛び超え優雅に舞い踊る。あの名曲「玉姫様」を一寸照れながら披露してくれたのには感激した。最後のカヴァー曲「ALL TOMORROW'S PARTIES」の底知れぬ儚さと憂いを秘めた歌声に、戦慄と感動を禁じ得なかった。10年後、30周年ライブ絶対やってほしい!

MOST  感動も束の間。戸川純去れば客もまた去る。随分動き易くなったことに喜びと戸惑いを覚える。純ちゃんは見てPhewは見ないのか?この2人が同じステージに立っているということだけで大事件!な出来事なのに…。それでもPhewがいつものようにスタスタとステージに上がると、それまで遠巻きに眺めていた客が一気にステージのほうへ吸い込まれていく。曲が始まると会場が一気にMOSTの色に。スピードが速い曲は勿論だが、スローな曲の中にこそ彼らのPUNK SPILITが息づいているように感じた。ソリッドで歯切れの良いPhewのヴォーカルや破壊寸前の轟音サウンドは、全てを突き放しているようにも聞こえるが、実は全てに開放されているのだ。いつでも飛び込めるMOSTという大海の、時には浅瀬で、時には深海で溺れかけたり、潜ったり…。ライブ終了後の、Phewの表情の崩れなさっぷりと、彼女以外のメンバーの完全燃焼なズタボロ具合との落差が可笑しかった。

 この日の「MOST NOTORIOUS!」が、伝説となったという事は間違いない。

written by uko with photos by nachi.


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