八王子のライヴハウス(2003年3月21日)
 パーキンソンズが広島でライヴしたときの前座にSPEAKES GAIN TEARDROPというバンドが出ていた。パーキンソンズの追っ掛けでそのバンドを観たおれの連れが格好いいバンドだから観た方がいい、今度東京に来るから、ということで八王子まで行くことにした。

 吉祥寺から電車で約30分、多摩川と浅川の2本の川を渡って着いた八王子の駅前は結構賑わっている。以前、自分は八王子で仕事をしたことがあって、八王子のことを「東京に一番近い地方都市」と感じていた。街の雰囲気は高円寺や吉祥寺、下北沢といったところと違うし、町田や立川とも違って、開発されている駅前と古い宿場町の交じり具合が地方都市ぽいのだ。そのうえ周りに大学が多いので、オジサン・オバサンの街でもないし、若者オンリーでもないし、都会でもなく、田舎でもない、独特な雰囲気がある。

 そんな街の風俗店なんかも数軒ある通りのビルにRIPSというライヴハウスがある。この日は7つバンドが出る企画で、フロアに足を踏み入れたときには最初のバンドは終わっていたのでmishuというバンドから。一言で言ってシューゲイザー。ライドやチャプターハウスやマイブラッディバレンタインが好きそうで、もろそういう音。格好いいところがあるんだけど、曲が長くて眠くなった。

 次に出て来たモグリはハイ・スタンダードやバックドロップボム、など、もろにのAIRJAM系の音。ラップを取り入れているところなんかはThe3peaceに近いかもしれない。とにかく曲も演奏もMCも若くて、バンドを始めてみたんです!と手探りで戸惑いながらも疾走していく感じが非常にほほえましい。オープニングのSEをオリジナルにするとか、いろんな工夫があるし。CDが300円で売っていたので応援の意味も込めて買ってみました。

 イラク攻撃反対の演説をSEにして登場したのが天心というバンド。ギター、ベース、ドラム、パーカッション&サンプラー&エフェクトの4人組。自らトランスロックと名乗っているようにROVO、AOA、SOFTを思わせる。この辺の音は大好きなんで、楽しめた。4人のテンションも高く、特にパーカッションの人が煽ったりしていた。

 次が凜。ギター、ベース、ドラムの3人の音はがっちりまとまっていて、おおっ!と思うほど上手い。そこへ男女二人のMCが出てきてラップする。女の子の方は、ソウルとかR&Bも聴いていますという感じのちょっと体格がいいタイプ。男の方はどちらかというとスチャダラパーみたいな優男のラッパーである。例えれば、ミクスチャーなバービーボーイズ、へヴィメタルなEASTEND×YURI、片方が女のバックドロップボムという感じだ。とにかく演奏が上手くて、こういう八王子の片隅で聴く音じゃない。音だけなら、なんかZEPPとかAXあたりの方が似合うバンドである。 そしてSPEAKES GAIN TEARDROP。ギター、ベース(5弦)、ドラムの3人でソニックユースあたりかな?ノイジーなギターが印象的なバンドである。途中でベースの弦が伸びてしまい、回復できないまま演奏しなければならないというハンデがあったけど、彼らの作る音の空間は気持ち良かった。また今度リベンジを。

 最後に出てきたのがlimited out。こちらのバンドもROVOなんかのトランスロックである。ギターをジミー・ペイジばりにヴァイオリンの弓で弾いたり、もう一人のギタリストがギターをカオスパッドにつないでいろんなエフェクトを試みていた。急にリズムが変わって激しくなったりしてハマったときが素晴らしい。先の天心にしてもフジロックで言うとフィールド・オブ・ヘヴンがよく似合うバンドが多くて面白い。 今回のSPEAKES GAIN TEARDROPにしてもライヴハウスレベルで広島と八王子の交流があるわけで、全国、いや、パーキンソンズも巻き込めば全世界レベルのつながりがあるわけで、決してそれぞれが孤立しているわけではない、わずかであっても何かつながっているという事実を面白いと思う。

協力:マーブルリヴァー

report by nob.


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