ライヴハウス巡り @ 三軒茶屋HEAVEN'S DOOR、秋葉原CLUB GOODMAN(2003年1月10/11日)

 ライヴハウスには思わぬ発見がある、ということで1月10日に三軒茶屋HEAVEN'S DOOR、その翌日には秋葉原CLUB GOODMANでおこなわれたイベントのことを書きたい。

 まず、1月10日。この日は「デジアナ」というタイトルのイベントで、おそらくデ ジタルとアナログの合体というテーマなんだかどうかは分からないけど、サンプラー やノートパソコンを使ったバンドというかユニットが中心だった。

 最初に出てきたOffside le moisは女の子3人。2MCともう一人はサンプラー+MDプ レーヤー+MCという組み合わせでラフでダークなヒップホップをやっている。歌詞は おそらく意味不明(英語?でもないような)。なんか「デス・チボマット」というか 「ヘル・チボマット」という感じ。チボマットを暗くして凶暴にしたみたい。ダーク さはマッシヴ・アタックに通じる気がする。右側の女の子が特に凶暴で火のついたタ バコを投げ、それが天井に当たり、フロアにいる人の頭の上に落ちる(フードをか ぶっていたので大事には至らず)という極悪ぶり。MDプレーヤーから基本的なリズム を出して、サンプラーで効果音を加えるという音作り。この程度の機材ならおれも 持っているぞ。やってみようかな。

 次に出てきたのは切腹ピストルズ。バンド名だけで合格。最近、「メチャリカ」と か「ソープランド揉美山」とか「太陽肛門スパパーン」とか人を舐め切ったバンド名 が多くて嬉しい。始まる前に「ウチのヴォーカルのサムライ・ジョニーはロンドンに 行ってしまいました。今、ロンドンでは世界中の若者が集まって、また何か新しいこ とをやろうという動きがあるようです。・・・サムライ・ジョニーはそれを阻止するた めに行きました」というMC。つかみはOK。サンプラー&ヴォーカル+ドラム+ギターと いう3人編成で、ノイズ系と申しましょうか。演奏は超テキトーで真面目に演奏する 気はゼロ。唯一真面目に音が出ているのがサンプラーという・・・。うるささは貧乏な アレック・エンパイアという感じ。くだらなさを愛する人にだけ激しくお勧め。

 3番目はed+T。ギター+8弦ベース(トニー・レヴィンやキング・クリムゾンのトレイ ・ガンが使っているスティックという楽器かも)+ドラムの3人編成。インストゥルメ ンタルで54-71みたいなシンプルな音の空間を作る。この日、初めてまともに音楽を やっているバンド。8弦のベースから出る音が多彩で、ギターの音域までカヴァーし ているのが面白い。

 そしてbossston cruising mania。何度も書いているけど、このバンドが発する音の濃度は凄い。それから毎回毎回新しい発見がある。この日は音が跳ねていて、かすかにロックンロールぽいところも。終わったあとにヴォーカル&ギターの鹿島エス尋氏に感想を言ったところ(直接言うのは初めてだ)、この日は練習不足で、次はちゃんとやります、とのことだったけど、全然不調を感じなかった。むしろ観るたびに違った面を発見できて面白いと思った。

 トリが機械DOTEちん。ノートパソコン&ヴォーカル+ギター+ドラムという編成。ノ イズやインダストリアルな感じが好きな人にはお勧め。アングラな故hide(元 X-Japan)みたいだなと思った。

 翌日は秋葉原CLUB GOODMANはSTRANGE 40minutes!というタイトルのイベント。まずは新宿フォーク。しっとりと聴かせる歌とファンキーダイナマイッ!な曲がある。聴 かせるバラードはくるりのフォークっぽいところが好きな人にお勧め。歌詞が切な い。アップテンポな曲は「絶対ソウルとか古いR&Bとか好きでしょ、特にオーティス とか。しかも和田アキ子経由で」という感じ。特に女言葉の歌詞の曲なんか本当に和 田アキ子が乗り移ったかのよう(「あの頃はぁ〜ハッ!」)。ドラムは女の子で熱 演。キーボードの人がスーツを着た優男みたいだけど、ヤマハのDX-7を持ち上げ、ジ ミ・ヘンドリックスばりに頭の後ろで弾いたり、キーボードスタンドからジャンプし たり暴れまくり。フリーペーパーに「火花を散らすキーボード」と書いてあって、こ れだけ激しく演奏していれば、そういう比喩もアリだなと思っていたら、最後の曲で 本当にキーボードから花火が噴き出した。和田アキ子つながりでWhat's Love?と対バ ンしたら面白いと思った。

 次の千葉レーダは凄かった。音はサンプラーかコンピュータで、オペレーターが一 人。フロアからチンピラというかジゴロというか、そんな出で立ちの男が登場して、 ムーディーな吉川晃司という感じの声で「千葉レイダァ〜、千葉レイダァ〜」と歌 う。なんか、ロマンポルシェ。が、クレイジーケンバンドが、ウルトラヴォックス が、スパークスが、グッチ裕三が、敏いとうとハッピー&ブルーが、ヒューマンリー グが、氣志團が混ぜ合わさって、エレクトロニックなディナーショーみたいな世界を 作り出す。そんな80年代エレポップを感じさせるエレクトロニックな音の中で歌われ るのは、そのズボンはきついから脱ぎなとか、りんご飴とか、そこの釣具屋の角を曲 がってとか、西船橋行きの電車とかという内容。全くわけわからん。ヴォーカルの踊 りも怪しくて笑いが止まらない。途中ジャンケン大会もあって、完全に千葉レーダの ペースに巻き込まれる。爆笑のエンターテイメント。最後にヴォーカルはフロアをか き分けてバーカウンターに行き、カクテルを注文する。

 千葉レーダが終わると、「おやじの海」そして「兄弟船」。ステージには「漁港」 と書かれた大きな提灯や、「まぐろ祭り」とか「かつお祭り」とあるのぼりがステー ジに並ぶ。ロマンポルシェ。+電撃ネットワーク+魚屋さんという感じのバンドである 漁港はだんだんお客さんが増えてるようだ。この日は電撃みたいなネタが少し増えた。最後は例によってまぐろの頭をさばいて刺身をお客さんにプレゼントするのだけど、船長の森田釣竿がまぐろの頭を持って登場する姿は、キャプテンビーフハートの『トラウト・マスク・レプリカ』へのオマージュか?

 最後がPetit Mitt。キュートでセクシーなダンサー&コーラス嬢2人と、篠原とも え似のドラム&コーラス嬢(ドラムはまともに叩いてない)、そしてスーツ姿に片手 に赤い薔薇を持ったオペレーター&ヴォーカルの男。打ち込みの電子音をバックに能 天気声のコーラスが乗る。お祭り騒ぎみたいで楽しい。スクラッチのできるパイオニ アのCDJでコスリを入れたりして面白いんだけど、機材の調子が悪くて、あまりテン ションが上がらずに残念。もう一回ちゃんと観たい。やっぱりテクノと笑いの関係は 電気グルーヴ以来の日本の伝統であるわけで、その正統的な後継者が、ある者はディ ナーショーに、ある者は包丁を振り回し、ある者は赤い薔薇を片手に、と面白いもの はまだまだ隠れているなあ、そしてちゃんと音楽に取り組んでいるバンドも一杯い る、という思いを新たにした2日間だった。

協力:satoshi、のざき、マーブルリヴァー

report by nob.


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(in summer '03 @ various venue)
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