buttonKraftwerk at Electraglide '02, Makuhari Messe (13th Dec '02)

Kraftwerk
 テクノミュージックを好きになったのはいつ頃だろうかと考えてみると、時期は小学生の頃としか憶えていないがきっかけとなったアーティストと曲名ははっきりと思い出す事ができる。「ライディーンbyイエローマジックオーケストラ」。日本人三人組が放つ汗臭さの欠けらも無い軽快な電子音とポップでキャッチーなメロディーはものの見事に脳裏にこびりついた。その後10代半ばに学校の先輩に聴かされた名盤「THE MIX byテクノの帝王」によって決定的に好意を持ち今もケミカルブラザーズやプロディジーやアンダーワールドなどのデジタルミュージック勢達への傾倒と続いている。当然彼等のショーには何度も足を運び、踊り跳ね、手を掲げ、フロアに充満した打ち込み音の中を汗だくになって泳ぎ狂うと言う行為を繰り返してきた。

 さて、クラフトワークである。テクノミュージックの源流。ジャンルを超えて様々な音楽に影響を与え、今も数多くのミュージシャンからリスペクトされ続ける偉大な帝王。個人的にもテクノ好きに仕立て上げてくれた張本人達。そんな訳でエレクトラグライドへの出演を知った時は思わず「あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜。」と絶叫してしまい家族の驚きと怒りをかってしまったのも仕方が無い。だが冷静に考えてみると首を傾げてしまう。ここ最近のテクノミュージックのイベントは"大汗を掻いて踊り倒す。"という事が重要な構成ポイントになっている。クラブのテクノ系DJイベントの延長線上にあると言って良いだろう。アンダーワールド、ファットボーイスリムと、過去二回のヘッドライナーとそのパフォーマンスを見てもわかる様にエレクトラグライドも例外ではなかった。そこにクラフトワークである。方向転換?ネタ切れ?ビッグネームであれば問題無い?クラフトワーク云々では無くて「DENTAKU」よりも「BornSlippy」の方が踊れるし、「Autobarn」よりも「RighthereRightnow」のほうがエレクトラグライドにマッチしている。初体感への大きな期待とミスマッチへの一抹の不安。
Kraftwerk
 当日は道が渋滞していたが、どうにかクラフトワークに間に合う時間に着き、洒落にならないくらい寒い中シャツ一枚で駐車場から会場へ向かう。当然小走り。ライブステージに入り、最前列から15m程のやや左寄りにポジションを取る。ステージは黒い幕で覆われていて上から1/3位の位置に横に三つ等間隔でブラウン管の様なものが浮かび上がっている、後で気付いたのだがステージ後方の壁に映像を映し出す為の映写機がその前に仕込まれていてそれが映っていたようだ。
 開演予定時刻から20分位経った頃にそのブラウン管に反応があり幕が左右に開く。ステージには大き目のモニターが付いた四つのキーボードが有るだけ。四人が出てくる。会場が大きく沸き、ラルフが右手を上げて応える。照明が落ちマシンヴォイスが鳴る。それに合わせて壁面スクリーンに「1、2、3、4」、「ComputerWorld」。微動だにしない四人。ステージ上の立ち姿はEXPO2000のジャケットを思わせる。(スクリーンは1つ少ないが。)ラルフの発声に映像がリンクしている。体を揺らしながらも目はスクリーンに釘付けになってしまう。「Homecomputer」「ComputerLove」と続き、最初のハイライトは「DENTAKU」でやって来た。冒頭のセリフが流れ、KRAFTWERKのオフィシャルホームページでもお目にかかれる「電卓」がスクリーンに映し出されると大歓声があがる。曲調はリミックスヴァージョンに近いが音が少し違う。ライブ全体を通して感じたがほとんどの曲の音色を微妙に変えているようだった。特にリズムは最近流行りの高音を強調したものになっていた。「ボクハオンガクカ、デンタクカタテニ」大合唱。ラルフも応えるように少しオーバーアクションでボタンを押すポーズをとる。奇妙な一体感。アーティストとオーディエンスの一体感をクラフトワークのライブで感じるとは・・・。

 名曲「TheRobots」「TourdeFrance」「TheModel」「NeonLights」「Autobarn」徹底して曲に映像をシンクロさせてくる。圧巻だったのは「ManMachine」と「放射能」。「ManMachine」は「マン、マシーン、マシーン、マシーン・・・」のフレーズに併せてスクリーン左下スミから「MACHINE」の文字が一文字づつずれながら重なっていき、8回目の「マシーン」で7段目の「MACHINE」の頭文字から下に向かって赤く変わり9回目の「マシーン」で大きく「MACHINE」と出る。80年代のCMでこの手のものが有ったかと思う。ノスタルジーと新鮮な驚き。遊び心を感じた。
Kraftwerk
「放射能」は被爆地とそのデータをオープニングでロールさせて、マシンヴォイスがそれを読み上げる。「CHERNOBYL」や「HIROSHIMA」の声に併せ、黒地に白い文字が大きく写される。更にラルフのヴォーカルを追う様に詞が浮かぶ。それらはシリアスな空気を生み出して会場全体を覆っていた。廻りを見渡すとほとんどの人が立ち尽くしていた。核廃止先進国ドイツからのメッセージ。本編最後はオリジナルヴァージョンに近いアレンジの「ヨーロッパ特急」。当然「T.E.E」の映像をひたすら流す。幕が閉じる。アンコールは「MusicNonStop」アメリカンコミックの吹出しのような文字で「BOING」「BOOM」「TSCHAK」。最後はこの日一番のポップを演出してくれた。

 曲によってオリジナルヴァージョンやリミックスヴァージョンを見事に使い分け要所要所で最新のシンセサイザー音を駆使する姿に進化し続けるKRAFTWERKを見た。そして全ての音を事前に打ち込み、ライブ中はレバーとボタンでリミックスするというスタイルが主流の今のテクノシーンにおいて、曲のテーマとなるメロディーをキーボードでリアルタイムに演奏する姿に「ボクタチハロボット、メカニカルコールドナンダ」というプライドを感じた。
Kraftwerk
 公演終了後ゴッドファーザー達の作り出す独自の世界にどっぷりと浸る事の出来た喜びをかみ締めながら、当初感じていた不安について考えてみた。確かにアンダーワールドやファットボーイスリムとは路線が違っていたし他の出演者達とは明らかに異質の空気を放っていた。もっと言うならば会場にいた人達の反応を見るとエレクトラグライドからは浮いた存在だったように思う。だが捉え方を変えればそれがイベントそのもののバラエティーの幅を広げる事になり、楽しみ方もより深く広くなったとも言えるだろう。来年以降もその辺りに注目しようと思う。KRAFTWERKが有りならY.M.Oだって有りだし(絶対無いと思うけど)、DEVOだって有りだし(これも絶対無いと思う)、小室哲哉だって有りって事になる(ちょっと有りそう)。

 なにより念願だったKRAFTWERKのライブを見れたんだから文句を言ったらバチが当たる。

report by takao and photo by Yuki Kuroyanagi

Kraftwerk
The official site is http://www.kraftwerk.de/
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button2004

butonThe Jeevas(3rd Apr. @ Shibuya AX)
butonJET(4th Feb @ Shibuya AX)

button2003

buton黄色い声と心地よいメロディー : The All-American Rejects (1st Dec @ Shinjuku Liquid Room)
butonおバカなんだけどかっこいいんだよなぁ :
Electric Six (15th Nov @ Shinjuku Liquid Room)
butonアカクロシロ :
The White Stripes with WHIRLWIND HEAT (21st Oct @ Shibuya AX)
buton最高のひととき : Elvis Costello (1st Oct @ Nakano Sun Plaza)
buton幸福な出会いに乾杯 : 勝手にしやがれ (3rd June @ Shimokitazawa Shelter)
butonまた会うことができて本当に良かった : FEEDER (24th Mar @ Shibuya Quattro)
buton美しい音色のギターを彼は今でも弾いていた : Johnny Marr & The Healers (1st Mar. @ Nakano Sun Plaza)
buton進化する過程に居合わせる喜びにひたっていたら魂ぬかれた: Death In Vegas (5th Feb @ Shibuya Quattro)
buton年始早々良いもの見たね: The Jeevas (7th Jan @ Kawasaki Club Citta)


button2002

buttonKraftwerk : (13th Dec. @ Makugari Messe)
button三回目のレッチリ : Red Hot Chili Peppers (2nd Nov. @ Makuhari Messe)


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