button 惑星 at 下北沢シェルター(20 June'02)

 

 

Wakusei

 

Wakusei

 

Wakusei

 

Wakusei

 

 

 ちらほらとその名前は聞いていた新星ロックバンド、惑星。ただし予備知識は全く といっていいほどなかった。最近比較的メディアへの露出が多かったのでスリーピー ス編成であるということ、そしてメンバーに女性が一人いるということだけは写真か ら読み取っていた。それだけだ。ただし周囲から漠然と好意的な評価だけは耳に入っ てきていたので気になっていた。6月20日、下北沢シェルター。この日初めてその ライブを観る機会に恵まれた。

 セッティングの段階で興味をそそられた。まず、例の写真の女性はドラマーである ということ。そしてギタリストの機材がモズライトにマッチレス・アンプという最近 比較的珍しい組み合わせであること。はたして音も個性的なのかどうか。

 結論からいうと、最初の一音を出した瞬間から演奏終了まで、一瞬も飽きることな く釘付けにさせられた。ギターがヘッドを派手に振り下ろすと同時にメンバー全員の 轟音が鳴り響いてライブがスタート。いきなりの緊張感にひるむ。

 例の女性ドラマーが刻み出したとんでもなくタイトなリズムにまず驚いた。そこに 乗っかるベーシストがまたすごい。目がイッちゃってたり、平気でとんでもないハイ ポジションの高い音を取り入れてみたり、コーラスというよりは雄叫びをやたらと連 発したり、ちょっと狂気さえ感じるような迫力。かといって演奏自体は勢いで誤魔化 す感じでは全然なく、むしろ絶妙なところでそれぞれが引いて爆発の伏線となる 「間」を作ったりしていた。このリズム隊の存在感はちょっと稀だと思う。

 そしてギター。どうやら彼がメイン・ボーカルらしい。メロディを几帳面になぞる より、自分のギターや他の楽器との兼ね合いで叫んだり引いて見たり、とにかく歌を 唄うというよりもバンド全体としての波に声を必死で乗っけようとしているように見 えた。マイクにリバーブ・ディレイがやたら深くかかってたなあ。あれも世界観かな あ。

 ステージの上の彼は、ベーシストもそうだけれどはっきり言ってふてぶてしいくら い突き放した印象を受ける。MCもほとんど挟まず(終演後に簡単なライブ告知をし ただけ)。だけどたぶんこのクールな感じがたまらなくいいと思う人は多いと思う。 ところがこの男が割と動き回るのだ。こういうステージ・パフォーマンスという点で も目を奪われる。総運動量はたぶんそんなでもないと思うけど、後ろを向いて体を揺 すって低い姿勢でソロを弾く、それだけのアクションでも妙に心に残る。なんだか悔 しいくらい絵になっている。こういう人はやっぱり家でドリフを見たりして大笑いし たりしないのかな。

 ライブを終えた後、彼には大音量の爆音系ギターを弾いていたイメージが焼きつい た。けれども冷静に思い起こしてみると、それとはそぐわないクリーンな音色を一方 で使っていた記憶もあるのだ。このギャップはなんだろう。轟音と静寂。狂乱と冷 静。衝動と知性。彼らはそういった両面性のどちらをも秘めている気がする(やや前 者が目立つものの)。

 既存のジャンルに無理に括ろうとすればたぶんガレージ系とかに乱暴に放り込まれ ちゃうんだろうけど、そんな一言で簡単に説明しきれないものがこのバンドにはある。

report by 高松ジョー and photo by saya38.


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"saya38" Takahashi. They may not be reproduced in any form whatsoever.

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