「こんばんは! THE HIGH-LOWSです!」 ヴォーカルのヒロトの、いつもながらのそんな第一声から、勢いよく始まったステージ。 何だかこの挨拶のひと声を聞いただけで、よぉ〜し。始まるぞー! 暴れるぞー!と、みんなの気持ちが瞬時に一体化し、一気に前のめりになってしまうから不思議。ステージかぶりつきの位置でも、例え後ろで観ていたとしても、思わずその声に体が反応しちゃう。それこそが甲本ヒロトの魔力。この人の輝きが、ハイロウズの楽しさの原動力なんだとのっけから思う。 ステージにはNEWアルバム『HOTEL TIKI-POTO』のネオンが光っていて、まるでどこか南国のパラダイス・ホテルの、これからショーが始まる夜の中庭にでも迷い込んだよう。何本もの椰子の木やら木の柵やらが配置されたその場所に、 一緒になって楽器がやけになじんでいるのがおもしろい。メンバーはいたって普通の格好だけど、こんなホテルがどこかにあっても不思議じゃないかも。 スタートは最新シングルの"いかすぜOK"。続いて"青春""ハスキー(欲望という名の戦車)"と立てノリなナンバーがビュンビュン来る来る。開演前に何故か(普段東京では席のある大きな会場が主なため?)「みなさん、前に押し寄せると危険ですから、始まる前にやってみましょう」などと前説の人に言われてほんとに練習しちゃったりする素直な若者達も、演奏が始まってしまえばダイブもするし、押し合いだってする。そんなの当たり前。後のMCでヒロトが 「楽しんどるか?そりゃよかった。よくケガとかしないようにしてとか言うけど、してもいいです。ギューッと押したりとかさ。するんだろ? それもまた楽しいんだろ? (←この言い方がやたらかわいい)だったらちょっとぐらいケガして帰っていいよ。生きるってのはそういうことだよな」 と言っていたが、(いや、生きるとはそういうことだとは思わないが(笑))みんな本気で曲と一緒に暴れている。パワー余りまくり!!と いった感じ。若い。花見で酒飲んで暴れるよりもずっと健康的でそりゃ楽しいよね。なんて思っていると、今度は笛の音が。作詞・作曲、真島昌利。いかにもマーシーらしい内容の曲。"21世紀音頭"へ。もちろんイントロは盆踊り調。 『失敗したら残念だけど/最悪でも死ぬだけだから/今はちょっと楽しむ時/ ちょっと笑う時/FUN FUN TIME〜♪』 と歌ってます。脳天気ですな。マーシーの曲は横揺れもOKです。 そして今回のNEWアルバムの中で唯一(!?)メッセージ性の感じ取れる曲、"十四才"へ。 『一発目の弾丸は眼球に命中/頭蓋骨を飛びこえて僕の胸に/二発目は鼓膜を突き破り やはり僕の胸に/それは僕の心臓ではなく/それは僕の心に刺さった/リアル よりリアリティ リアル』 『ジョナサン 人生のストーリーは/一生じゃ足りないよ』 果たしてこの曲の歌詞に多々出てくる「ジョナサン」とは誰を指すのか定かではありませんが、曲の最後の 『あの日の僕のレコードプレーヤーは 少しいばって こう言ったんだ/いつでもどんな時でも スイッチを入れろよ/そん時は必ずおまえ 十四才にしてやるぜ』 というフレーズも、最高。ライブで聴くと、かなりキます。心の奥深いとこにずんずんと、 ヒロトの声と、4人の演奏が、乗り込んでくる曲です。 と、そんな曲もあるかと思いきや、続く"クリーミー"ではいくつになってもどこでも脱ぐ男、ヒロトがズボンを脱ぎアソコにマイクを向けて歌わせて、「今日はコイツ喉の調子悪くてあれぐらいが精一杯(あまり歌えなかったね)」だって(笑)。 アホすぎ。変わんないですね。そういうとこ。すごく好きです。 その後NEWアルバムからのミディアムテンポな曲を何曲か続けた後は、 「ここからまたグッといきますよ!」 との言葉通り、マーシーがヴォーカルの"ガタガタゴー"や、おぉ! これ聴けてめちゃめちゃ嬉しいよー!! と発狂しそうになった"千年メダル"で場内爆発。これ、ほんとにいい曲。君とのこの恋が、いつの日か表彰台に登る時には、君がそのメダルを受け取ってくれよ。そのためにできるだけ僕は長生きするよ。例えば千年ぐらいね。という歌です。家では何度も何度も聴いているけど、ライブで聴くとサビへの曲展開があまりに歌詞と合っていて、歌おうと思ってなくても思わず口が一緒に動いてしまいます。 そして歌い終わった後、ものすご〜くジーンとします。ライブでこそ多くの人に聴いてほしい曲です。隣にいた子もこの曲で思わず柵を乗り越えて前へダッシュしてました。 さらにイントロのギターが最っ高!!の"不死身のエレキマン"から"相談天国"、そしてこれまた強烈なイントロも含め、ギタリスト・マーシーのカッコ良さを十二分に楽しめる曲、ラスト、"ミサイルマン"へ。両手を前で合わせてロケット発射するみたいにするファンの振りは随分前からすっかり定着していて、この日もあちこちででっかいミサイルが飛んでました。 「GO!ハイロウズGO!(チャッチャチャ←手拍子)」 といういつも自然に沸き起こるかけ声と共に、メンバー再登場。アンコールは"モンシロチョウ""罪と罰""真夜中レーザーガン" の3曲。もうこの辺はライブの定番。これでTVCMでもお馴染みなPOPなナンバー"日曜日よりの使者"(このま〜ま どこか遠く♪というあの曲です)も聴けたらもう、完璧。残念ながらこの日は聴けなかったけれど、しかし、ほぼ満点なセットリスト。 それにしても、約2年振り位に観た彼らのライブ。ドラムの大島くんの上達ぶりに、ひたすら参りました。こんなにいい音出すんだっけ!?(その昔ブルーハーツのディレクターやったり清志郎さんとバンドやったりもしてた人です)もちろんもともと上手い人だったけど、 バンドとしての「ここ!!」というツボを突くポイントに、ピタッ!とハマった音を出してました。こういう人が屋台骨だと、とても心強い。バンド結成当初はサポートだったはずの白井さんもキーボード奏者として正式メンバーとなり馴染みまくり、ベースの調くんも黙々とナイスな音を作り上げ、マーシーは相変わらずマーシーで、全体的にバンドとしての安定感というか、結束みたいなものがとてもとても強くしっかりとしたものになったように感じたライブでした。 しかしながらハイロウズの曲には、正直言ってあきれる程くだらないことを歌っている曲も多く、(例『モンシロチョウ〜キャベツ畑〜♪』(これが連呼される)とか『食べたいな〜カレーうどん♪』とか)CDで聴いて、こんな曲ライブでやらないんだろうなーと誰もが思うだろう曲も、ライブでは平然と演ったりもします。それもブルーハーツという偉大すぎるバンドを知っている人にとっては、およそバンドの中心人物達が同じ人間だとは思えない、詞の内容のなさです。当然、ブルーハーツの曲なんてものはハイロウズではやりません。たぶん1/1000ぐらいの人が、今でもひそかに期待してライブにやって来ているのではないかとも思いますが、やりません。ハイロウズは全く持って別バンドであり、それが当然だと思えるまでには、自分も多少時間がかかりました。 が、しかし、そのような、一見するとくだらない歌も、ライブで聴いていくと、あぁ、ま、いっか。と次第に思えるようになり、観客の反応を観ていると、もはやそれが当然であり、それはライブの楽しさの一部であり、何より今の彼らは、今を楽しんでいるのだというのがとてもよく解るのです。それはバンドとしてのかなりの成功を示しているのではないかという気さえします。あるいは、今回のNEWアルバムは去年の9月に発売されて、同月から出発したツアーはなんと終わりが今年の4月で、その間80本ものライブをするのだというのだから、ライブバンドとしての彼らの人気は不動のものであり、ライブへ対する彼らの心意気もそこから強く感じ取れます。小さいことは気にするな。でっかく行こうぜ。楽しもうぜ。そんなでっかい雰囲気がまた、いつでもライブに若いリスナーを集める(たぶん観客の年齢層がほとんど上がらない珍しいバンドだと思う)要因なのではないかと思います。お揃いのTシャツ着て、リストバンドして、『We are THE HIGH-LOWS〜空を飛ぶ〜♪』と歌うこの大人だけど子供のように屈託なく音楽を楽しんでる人達は、きっと、いつまでたってもハイロウズ。 いい意味でそのままでいいのだ。そう思いました。 report by oyumi. |