Incubus at ZEPP Tokyo(2nd March '02)
 

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 インキュバスがついに単独来日公演する!...

 去年のサマーソニックで日本で初公演。会場が海に近く野外だったため、潮風に音が流されていたのか、あまりいい音響で楽しめなかったので、楽しみにしていた。ファンク+ラウド+民族音楽の楽器(=エスニック!)をバックにいい唄声で歌い上げるバンド。最新作「morning view」はさらにそのサウンドが純化され、ラウド感から生バンドなロック方向へ進むインキュバス。

 なぜか横向きなセッティングのドラムセット。
 ギターアンプの上に4,5つ並べられているアフロ犬。
そんなちょっと面白いステージに彼らが現れた。

 ブランドンは前日まで、その前の公演をキャンセルしてしまうほどの不調だったのだが、調子は復活していた。艶、のびがある素晴らしいボーカルを披露してくれた。ボーカルだけでなく、バックバンドも、まるでCDを聞いているかのような正確なプレイング。特にドラムとベースのグルーブ感が特筆だった。インキュバスは曲によっては(特に昔の曲は)リズムが凄い複雑なのだが、まったく狂いもせず、息ぴったり。ギターは昔はバリバリファンク畑のような感じなのだが、ニューアルバムに合わせているのか、あまりそのファンクさを出さず、隠し味程度。

 3枚アルバムが出ていて、セットリストはそれぞれのアルバムからほぼ均等であった。3枚とも曲の色がぜんぜん違うのだが(特に1st、2ndらと3rd)ギャップを感じさせずの選曲だったと思う。DJのキルモアも自分パートじゃないとき、ターンテーブルを離れて動こうとするが、ヘッドホンのコード範囲しか動けず不便そうにしていて、まるでヒモでつながれた犬のようだったのでちょっと笑った。ストリップショーのようにどんどん脱いでゆくブランドン、マナーの悪い外人客に一喝するベースのアレックス。「drive」という曲で客のみんなも一緒に大合唱。余談だけど、僕の隣で見ていた客の「drive」が下手すぎで結構雑音であったが(笑)、その会場の雰囲気で許せた。

 さて、そんな彼らのサウンドだが、思わず最強バンドレッドホットチリペッパーと比べてみてしまった。なぜレッチリと比較したのかというと、レッチリにはあってインキュバスに無いものを感じたからである。それは何なのか。

 もしかしたら技術的には彼らより正確なプレイである意味巧いのだが、僕的にはレッチリには遥か及ばないのである。レッチリも昔はバリバリファンクだが、どんどんサウンドが変わって、「カルフォニケーション」ではシンプルイズベストの境地に達している。限りなくシンプルなのだが、ものすごく一音一音が重く、存在感がある。それぞれの楽器から出ている音と音の間の無音にも存在感がある。それは以前武道館で演奏したときもそうであった。本当に不思議な体験であり、発見であった。

 こんなに巧いのに、こんないいサウンド出してるのにも関わらず。ギターの違い?エフェクターの違い?アンプの違い?技術?おそらくひとつひとつそういう違いが積み重なって 大きな違いが生まれてる、という部分はあると思うが、やはり大きな違いは「音への理解とその中心の重心さ」とでも言えばいいのか。バンドで演奏する以上、いろいろな楽器を同時演奏するが、リズム隊もボーカルもギターもフレーズひとつひとつが、そのサウンドの中心イメージにがっちりと密接に絡んでいて、それがまた中心イメージを濃密にさせる。隙間を感じさせない。

 さらに、その中心イメージが生まれてくる場所も彼らのこころの深いところからに感じ取れる。それが僕の中のレッチリなのだ。そのレッチリと比べると、どうしても音の存在感という意味合いで軽く聞こえてしまう部分がある。

 無論、音楽の方向性もキャリアも違うバンドを比べても仕方ない部分がある。ジャンルが違うだけで、同じギターパートでも音の使い方はずいぶん違う訳で。しかし、インキュバスは高い技術を持ちその音楽性を純化させようとしてると僕は感じるし、期待したいし、ただのラウド系ミクスチャーのバンドもしくは曲調をPOPにして多くのファンゲット!で終わって欲しくない。純化というのは軽くなることではない。もしかしたら本人達はその軽さを狙ってるかもしれないですけど。

 でも、ライブは最高でした(笑)

report by Taku Katayama and photo by saya38

*なお、写真は1日のものを使用しています。


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