Wrench at 渋谷タワーレコード(2002年2月10日)
 WRENCHは凄い。

 他を寄せ付けない迫力のPLAYとパフォーマンスは、例えば日本のラウド・イベントとしては最大規模であるAIR JAMの、何万人も入る球場でステージに立った時でも、今日みたいに400人ぐらい入ればいっぱいになりそうなステージでも、まるでそこでCDプレーヤーが鳴っているような、抜群の音の良さを作れるということにも表れていると思う。PLAYが安定している、それだけの演奏力をメンバー全員が持っている、ということも当然あるが、それだけではない、底力というか、どこで演ってもどんなメンツと演っても俺らは俺ら。最高のPLAYをするだけさ。という貫禄があり、どんな状況でも観る側を決してだらけさせない、最高のテンションへ持っていけるというのがまず凄い。しかも演奏が進むにつれ、吸い込まれるようにそのテンションは最高地点からさらに上へ上へと上がっていく。

 NEWアルバム『CIRCULATION』はまさにその極みで、前作で彼ららしい別側面であるダブ&トランスな方向へ行き過ぎたと悲しむリスナーを、今作では「やっぱWRENCHは究極のROCKバンドだぜ!」と唸らせた内容となっている。とにかく否が応でも最後まで聴いてしまう、強く吸い寄せられるパワーがあるのだ。

 この日はそのNEWアルバムの発売記念インストアライブ。ステージも低く見にくいはずなのに、満員の会場はスタートから汗まみれで踊りまくり! ボーカルのSHIGE氏は今日は黄緑でキメっ! トレードマークのバンダナまで眩しい黄緑。相変わらず男前な人たちです。

 まずNEWアルバムから『solo to the glow』を披露。

「この湧き出る何かを感じてやまない/そこにある【怒り】や【寂しさ】や【無意味さ】も包み/乗り越えて/いつか輝けよ」

 と歌うこの曲。アルバムのオープニングを飾るこの曲の歌詞は、まるでWRENCHの鋭角で広大な音楽そのものを表現しているような気がする。

 そのままアルバムと同じ流れで『Sound aim source』『Resist from the breakdown』(イントロのベース最高! WRENCHは全部の音がいいが、特にベースのMATSUDA氏のPLAYは最高。音も弾き方もすっごいかっこいいッス!)から『FACT』『From up front,bass is drift』へと続き、以前CMで使われて話題になった『RIDE ON!』へ。鳴りやまないギターとサビの『RIDE ON!』が頭から離れない。もちろんみんなで歌う。上がる拳も多くなる。ぐるぐるぐるぐる音が渦巻いて体に入ってくる。ここはダイブは禁止なのでみんな守ってその場で暴れているが、この曲とか聴くと気持ちは飛んでるんだろうな〜と思う。

 アンコールは『無条件』に『TO WATER』! あ〜CD屋でのライブなだけに、『不条理』も聴きたかったなー! と個人的には思ったのだが、ライブはここで終了。短くとも内容の濃いライブだった。

『不条理』歌詞が非常に深くメッセージ性のある、WRENCHならではのものでぜひ紹介したいので拝借して一部掲載。↓

「だいたいオレの声がテープに吹き込まれ/「それでも世界は素晴らしい」などと/それが商品になって2000円前後で/レコード屋の「ラ」行あたりの棚に置かれて/じっと沈黙に耐えてる/その事自体が狂気沙汰の.../
振り分けんなって、振り分けんなって、/メジャーだとか インディーズだとか/音を産業してるって事に何の変わりはねぇーじゃねーか/えらそうな事を言う前に/大体ドンパチが始まったら/まず最初に干される内のひとつが音楽産業だろうよ/演れてんのはまだ平和が残ってる証拠だろうよ/もし銃を向けた目の前の敵が/この前来日して対バンしたヤツだったら/それこそオレは狂気沙汰の/
オレはそこから生まれない
オレはそこから奮い立つ
オレはそこからヘドが出る」

report by oyumi.


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