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会場に入るとブレイクビーツ系のクラブに来たが如くの音楽が会場を包んでいた。ある者は次なるアクトに備えて、はやる気持ちを抑えるかのようにうつむき加減で音に陶酔し、ある者は音楽とリンクしながらくテンションを揚げているかのように身体の動きが徐々に激しくなっていく。僕は息の上がった身体を落ち着かせるように床に座り込んだ。しばらくすると、今度は落ち着かせていた身体がDJに操られるように小さく動き出した。音楽の盛り上がりからするとそろそろ登場かな?僕は立ち上がった。その行動をDJが見ていたかのように会場は暗くなり、静まり返った。 レーザー光線が勢いよく、慌ただしく会場を照らし、「introduction 010」が鳴り響く中、その光線の中を今夜の主役である二人のWHITE CRUSHERがのらりくらり現れた。会場はマイクという武器を持ったもう一人のWHITE CRUSHERが現れるのを待ちわびている。それは台風が近づいてきている海岸に打ち寄せるの波の如く徐々に大きく、だが台風の接近スピードよりは確実に猛スピードでその波はヒートアップしていく。もちろん、僕らもその波の一部になっていた。最後のWHITE CRUSHER、Kyonoが登場した。シングルカットもされた、「chaos step」、「gaga life」、「GOOD GIRL」などが次々に演奏され、 会場は夏に来る台風なんか目じゃないほどの猛威をふるいだした。十年以上やっているバンドだけあって老若男女問わずに会場は震えだし、宙を舞う人間の量もハンパじゃない。人々の目も台風がやってきたという恐れのものではない。明らかにその来襲を楽しんでいるが如くだ。しかし、この台風意外と人のことを気遣ってくれる。「雲-kumo-」という台風の目なるものがちゃんと存在していた。会場は一時静まる。僕もその気遣いに甘え、次に来るべき後半の台風に備えて会場の端で休憩を取らして貰った。 息も完全に落ち着いたかなというぐらいのタイミングで台風の目は通過し、再び台風は猛威をふるい出し始めた。嵐を撒き散らすWHITE CRUSHERも最後の一太刀といわんばかりの迫力で無数に群がるBLACK CYMORNに音と歌詞という名のレーザー光線を浴びせかけてくる。「神歌」が流されたときにはみんなケチョンケチョンにやられていた。そして、台風WHITE CRUSHERは去っていった。会場の外に出ると、冬なのに、本当に台風が通過したような晴れ晴れとした夜空が広がっていた。 report by toy. |