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サニーデイ・サービスの解散ライブから1年と1日経った2001年12月15日、曽我部恵一のソロデビュー・シングル「ギター/月」はリリースされた。解散も突然だったけれど、今回のソロデビューもどうやら突然決まったことらしい。これはシングルのライナーノーツにも書いてあることだが、まだシングルを手にしてない人のために、その経緯を一通りここに書いておきたいと思う。 曽我部の記念すべきソロデビュー曲「ギター」が書きあがったのは、2001年10月22日の朝のこと。このときはまだリリースの日程はおろか、レーベルさえも決まっていない状況だったようだ。ただ、曽我部本人はクリスマスまでにはこの曲をリリースしたいと考えていたらしい。しかし、クリスマスまではたったの2ヶ月しかない。まだレーベルさえ決まっていないのだから、これがいかに無理な希望であるかはレコード会社の事情に詳しくない私でもなんとなく分かる。しかし、11月16日に事態は動き出した。この日、曽我部恵一と元ピチカートファイブの小西康陽が某誌の取材で対談を行った。そして、このときに小西からのアプローチによって、急遽、小西の立ち上げた新レーベル、レディーメイド・インターナショナルからのリリースが決まったのだ。しかも、発売は曽我部が希望していたクリスマスより10日も早い12月15日。作曲→契約→レコーディング→プレス→リリースまで、全てがたった55日間の間に行われた。音楽への愛情ゆえのこの機動力は、読んでいて本当にかっこいいと思った。 そして、今回ここで紹介するのは、曽我部がリリースを希望していたクリスマスの前日、つまりイブにタワーレコードで行われたミニライブの模様だ。(この様子はスペースシャワーTVでも放送されるようなので是非チェックを!もしかして、もう放送されたかも。) タワーレコードの店内の一角を仕切って作られたライブステージに曽我部が現れたのは定刻を10分ほど過ぎた頃。白いTシャツに、黒のニットキャップという近くのコンビニにでも行くような、「らしい」格好で登場。ベースにはスペシャルゲストで小西が参加している。他のメンバーの名前はわからないけれど、キーボードとパーカッションが一人ずついるインストア・イベント向きのシンプルな編成だ。 1曲目は新曲の「夏」。クリスマスのイベントに、いきなり夏かぁ。狙ってるのかな?一人半袖姿で歌う曽我部。曽我部……があまり見えない!ステージが低すぎるうえに、クリスマスだというのに周りが一人で来ている野郎どもばかりなので(自分も人のこと言えないが)、たまに彼らの頭の間から曽我部の顔がチラチラッと見えるのみ。背はどちらかと言えば高いほうだから、こんな経験はしたことがなかったのだけど。後ろにモニター画面があるとは言え、これは結構辛いものだ。タワーレコードさん、今度からはもう少し高いステージで頼みます。 2曲目はシングル曲の「ギター」。日常生活での関心事−ハルコ、本、ギター、東京、ニューヨーク、そして戦争。これら全てを並列的に並べて隣の人に囁くような声で歌う曽我部。一聴した感じはサニーデイ初期に立ち戻ったかのようだ。でも、レイドバックしたという印象は受けなかった。余分な力を抜いて素直にやってみたら、サニーデイ初期と似たようなところに辿り着いた、という感じだ。
3曲目は「テレフォン・ラブ」という新曲。曲調は「ギター」路線のシンプルなミドルテンポ。「夏」もやはり似た路線だったので、今回披露されたオリジナル曲は、みんな基本的に似通ってた感じだったということになる。しかし、それはやはりステージの大きさの関係でバンドの編成に制限があるインストア・イベントだったからだろう。もし、ここにシングルのカップリング曲だった「月」のようなサイケデリックな感じの曲が加われば、もっと面白いことになるはずだ。まあ、でもそれは本格的な再始動までおあずけか。 今回はインストア・イベントだったけれど、トークはなし。演奏された曲もたった4曲と、短いイベントだった。でも、今回のところは、曽我部が音楽活動を再開して、しかも素晴らしい曲を書いているということが確認できただけでも、私は十分に満足できた。やっぱり好きなアーティストが充実した楽曲を書いて音楽活動を続けているというのが、ファンにとっては生トークやサインなんかよりも、よっぽど嬉しいものだ。月並みな言い方だけど、やっぱりこう言わせて欲しい。素敵なクリスマスプレゼントをありがとう。 ---setlist---
1.夏 report by dak. |