BONNIE PINK at ZEPP大阪(2001年12月16日)
 5年くらい前に、温かい声を持ったBONNIE PINKという赤い髪をした、女性の歌いたいのはなしを聞いた。そのころの僕は女性の歌う歌に興味がなかった。女性の声が持っている柔らかさだとか、強さなどにきづかなかった。BONNIE PINKの声を聞いても、ほかの女性が歌う声と同じく、何も感じなかった。

 しかし、時がたち、たくさんの音楽を耳にし、女性の歌もたくさん聞いたため、女性の声が持つ魅力にわかり始めたころ、再び僕はBONNIE PINKの話を聞いた。このとき彼女の声から彼女の持つ温かさ、やわらかさ、強さなどを感じた。そこで僕はCDだけではつたわらない、生の声でしか伝わらないものを探しに、ライブに行こうと決めた。

 ライブ前に、ある写真がステージを覆う白い布に映し出された。BONNIE PINK自身が映っていたり、茶色の部屋などが映し出されたり。その写真が徐々に変わっていき、最後には「赤」を基調とした、初期のテレビゲームのような映像となり、彼女がステージに現れた。ステージ上では、スモークがたかれていて、そこに青白い照明が照らされ、ステージから奥行きというものが消え、どこまでも続く空間が、そこにあるかのように見えた。

 ライブ中BONNIE PINKは、しきりに僕たちに呼びかけていた。僕たちが彼女の声にこたえると、彼女はとても喜んでいる様子で、ニコニコしていた。それを見ていた僕も、なにか嬉しくなって、ふと横を見てみると、まったく知らない人たちも笑っていて、それを見たらよりいっそう嬉しくなった。みんな違う目でライブを見ていて、違う感情をライブに対して抱いていると思うけど、ライブハウスの中にいる全ての人は、楽しさを感じていたと思う。歌う側も見る側も、全ての人に楽しさをあげようと、また自分も感じようと、積極的にライブに参加し、素敵な時間を造り上げようとしていた。

 ライブというある種の、独立した小さい社会の中で、BONNIE PINKの歌を聞き、僕が一番強く感じたことは「楽」ということだった。歌っている人も、見ている人も、「楽」を感じることが音楽でとても大切なことだと思う。「音楽」という言葉もそのことを強く主張しているように思う。「音を楽しむ」、「音で楽しむ」、人によってさまざまな解釈があるとは思うけど、「音」という媒体を通して「楽」を感じるということは共通していると思う。今回のライブでは、音だけでなく、BONNIE PINKが見せる表情の一つ一つや、みんなが放っている「楽」という素敵な感じが僕に今までで一番の「楽」を、BONNIE PINKの声みたいに温かい「楽」を、感じさせてくれた。

 最後に素晴らしいライブを見せてくれたBONNIE PINKとすべてのSTAFFに感謝。

report by yohsuke.


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