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UKミュージックシーンに突如としてあらわれたNew Acoustic Movementという波(ブーム)。それはStarsailorやTurin Breaksに代表される美しいメロデイとポジテイヴネスを主本としたバンドを中心としたもので、当時UKでもてはやされていた全く正反対の性質をもつNew Metalシーンと並んでUKミュージックシーンをカバーしていた。 だがNew Acoustic MovementはこのNew Metalシーンにひけをとらない「強さ」を持っていた。それはポジテイブネスや美しいことも「リアル」になりうること、人が強く求めていることだと証明していたからだと思う。 このNew Acoustic Movementの性質を受け継いでいるバンドのひとつがこのHaven。このMovementについて、「Buckleyの嘆きを敬愛した若いヴォーカリストたちによる...」などと紹介されていたのを読んだことがあるが、まさにこのHavenの特筆すべき部分は「ヴォーカル」にある。しかもそのままである。Jeff Buckleyから影響を受けただろう繊細なビブラートから曲の盛り上がりと共に繰り広げられる高音ビブラート。Havenのヴォーカリスト、Gary Briggsはまさにスーパーヴォーカルの持ち主である。前回彼らのライブを見たのは半年前。その時は残念だった。なぜならライブでせっかくのその「スーパーヴォーカル」が全くをもってひきたってなかったからだ。音響が悪かったのかそれともヴォーカル自体がライブなれしていなかったのかわからないが、その歌声が他のサウンドの洪水に呑み込まれ、それはアンクリアな形でしか受け止められなかった。 だが今回のライブで本当によかったと思うのは、その歌声が引き立っていたこと。うまく他の音達に乗っかって音の中をうまく泳いでいるようなかんじだった。前回のようにおぼれることなく。Gary Briggsの芯の通った歌声を自分の体に響かせることができた。ソリッドな高音ビブラートも存分に堪能できた。そしてソリッドになったのはヴォーカルのみではなく、ステージ上で鳴っている全ての音。ギター、ベース、ドラムが「一つの音」として聴こえる。美しい音が力強く鳴っている。そこにはダイナミズム感さえ感じる。そしてCDでは決して感じ取れなかったもの。それは曲自体が「生きている」という事実。彼らの3rdEPのタイトルをかりて言うならまさに「Let It Live」なのだ。歌詞だとかメロデイだとかのことを言っているのではなく、音自体が生きている。たった今吐き出されている音が一つの固まりになって今の瞬間を生きている。聴く音聴く音に感情を感じ取れるのだ。4人の曲に対する感情の入れ込みと「生きろ」という生命の吹き込みがなせる業である。 彼らの演奏力ははっきりいって完璧である。曲もすべて美しく繊細で輝いている。ただ、前回の別のバンドのReviewでも書いたことなのだが、同じ系統の曲を並べすぎる。このバンドの場合は各曲違ったリズム、展開はあるが、受ける「印象」が似たよっているのだ。これは非常にもったいないことである。なぜなら本当に美しい曲ばかりだから。その曲達の本質が失われてしまってるように感じてしまう。セットリストの一曲目、「Where's the love」。Jeff Buckleyが同じ言葉を歌っていたのはあの「Eternal Life」の中だったし、彼は「Kick Out The James」のカバーもやっていた。いくら繊細な曲だって彼の感情と声のコントロールでアグレッシヴにもしたし、一本の細い糸のようにもした。Havenに同じことを望んでいるわけではないが、とにかくせっかく「生命を持った曲達」を、同じ箱に並べてしまうんではなくて、それぞれに別の箱を与えてあげるべきだと思う。例えばいくら美しいダイアモンドだっていくつあったとしても一つの箱に全部詰め込まれていたらその美しさは全体像としてのイメージでしか伝わってこない。個々が持つ形、魅力を感じ取ることはできない。 彼らは曲に生命を与えた。今度はそれを育てる番だ。それが出来たとき、彼らは本当のライブバンドになるだろう。 Reported by Eri Takahashi. 無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to Eri Takahashi. They may not be reproduced in any form whatsoever. To The Top. |