Halo Monarch Barfly, London(2001年11月5日)
 このHaloというバンドは本当にまだ新人のうちの新人。 メンバーはヴォーカル、ギター、ベース、ドラムからなる4人。見るからにして若く、そしてファンションセンスは抜群。これは先月彼らが前座と務めた今最も熱い大注目新人バンド、The cooper temple clauseにひけをとらない要素だろう。今回行われたMonarch Barfly(ロンドンの有名な新人用のVenue)でのギグでは、3バンドのうち2番目に演奏するという扱いでヘッドラインではなかったのだが、このバンドが注目されているのはあきらかで、先月は先にも書いたThe cooper temple clauseの前座を務めたし、今月はJimmy eat worldやOcean colour sceneのサポートを務める予定である。激しく熱いアメリカンギターバンドと大物UKメロデイアスバンド。絶対に接点がありそうにないこの2組のバンドをそれぞれサポートできるのか?と考えてみて、答えは「Yes」である。なぜならHaloはどちらの要素もかりそなえているから。若さと情熱が助ける「熱い」部分とどこまでもメロデイを大切にする「守る」部分。

 このバンドは「ベンズの頃のRadiohead」だとかFeederだとかMansunチックなギターだとか比べられているバンドは様々だが、何といっても私が頭に思い浮かべてしまうのは「アルフィー」なのだ。そう。あの日本を代表するメロデイアスバンド、アルフィー。これは笑い事でも何でもなくて、ただ自然とそう感じてしまう理由がある。それは彼らの奏でるハーモニー。コーラス。とにかく「ハモリ」ときちんとやる。ヴォーカル、ギター、ベースの3人がそれはそれはきれいなハモリを聴かせてくれる。Vo以外の2人は、バッキングヴォーカルという扱いにはならない完璧なヴォーカリスト。ほとんどの曲のサビ以外のヴォーカルパートでもこの美しいハモリが入っているのがすごく印象的だった。ライブのくせにそのハモリはくずれることなく響いている。そして無理なギターソロも目立ったリフもなく、とにかく「調和」とそれからおりなす「美」と大切にしている。新人用のハコであるため、その「美」が音質の悪さにかき消されてしまっているのが残念でしかたなかったが。

 そして今UKを見渡してみて一番Haloとちかいことをやっているバンドといったら間違いなくMuseだろう。Haloはまだ宇宙には達していないが。(笑) 今のHaloの状態を見ていると非常に懐かしい。まだ未熟さが残っているあたりが限りなく1stのころのMuseに近いのだ。存在感のある重くどっしりとした、それでいて動きのあるベース。そこにのっかってくるドラマテイックでメロデイアスなヴォーカルパートとギター。そして自分たちが音楽でやりたいこと、「Vision」がはっきりしているのにまだ少しあいまいさが残る未熟さ。それがMuseが「Showbiz」でやっていたことと重なるのだ。

 ただこのバンドがMuseのように3ピースでなく4ピースでよかった、と思える点は先にも書いた3人のハモリヴォーカル。そしてガガッガガッと激しく鳴らすところはとことん鳴らすことのできる重いベースとツインギター、力強いドラムのおりなすわざ。そうなのだ。Haloのもうひとつの特徴は激しいメタル部分も重要視するところ。これはもう彼らの若さにまかせたらいとも簡単にできてしまう。とにかく聴いていて気持ちのいい爆音。このバンドを見ていておもしろかったのはヴォーカル、ギター、ベースがそれぞれのマイクに向かって横一列になってきれいなハーモニーを奏でていると思ったら間奏部分で待ってましたとばかりにくずれる。それはそれは見ていておもしろい「くずれ方」だ。くずれると強くぶつかり合うほど動き回るし、飛ぶ。あんなに「きちんと」整列していたのにあっというまにくずれてしまう。まるで積み木の山を一気にくずしたような感じだ。

 ただ彼らの欠点をあげるとしたら、全曲が似たよっているように感じるところだ。それはたぶん彼らが「音楽でやりたいこと」があまりにも明らかで強すぎるため、それが全曲にあらわれてしまっているところ。つまり全曲それぞれが同じような展開をもつ曲になってしまっているのだ。それは美しいハーモニーのあるヴォーカル部分、光るキラキラしたギターリフ、それをやりながら激しいメタルも鳴らす「くずし部分」。その混合の繰り返しのような気がする。「完璧な美。ドラマテイックさ。」と「壊し」。よく言えばそれが彼らの「個性」なのだが、問題なのはその個性を失わずにどれだけ音楽面で成長し、切り開いていけるか。今の時点で満足していたらきっと前には進めないだろう。だがこのバンドは若いし新しい。伸びがあるはずだし変化していく可能性は十分にある。それにここまで新しいのにここまできちんとした「Vision」を持っているのは驚きだ。きっと前に進んでいってくれるだろうし、もっと多くの人々を魅了していってくれるはずだ。

(まだ正式なEPはリリースされていないが限定EP「Still Here EP」は先着2000人のみwww.halomusic.comから無料で手にいれることができる。)

Reported by Eri Takahashi.


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