天使は想う〜『正義という暴力の下で』(2001年10月12日)
 「わたしは殺されるんだ」

 ミサイルの破片を突き刺し、全身を血だらけにして病院に運び込まれてきた女の子は、そう泣き叫んでいました。学校が終わって家に帰ってきただけ、そしてただ、その国に生まれただけ。ただそれだけで、彼女が犠牲を払わなければならないものとは何でしょうか?

 彼女がもし健在なら、今頃、二十歳を目の前にした少女に成長しているでしょう。でも、その後を伝え聞く術を、わたしたちは持ち得ません。ただ幸せであってほしい、そう願うだけです。たとえ、その願いさえも虚しいものだと、知っていようとも。

 "それよりも悪いものをわたしに見せてください。そしてどこかの椅子に座って、わたしは泣きましょう。そして瞳を閉じましょう*"

 きっと権力を手中にした人たちには、家族や恋人、友人、人間的な営み、一日一日そのなかで培われる喜び以上に、大切なものがあるのでしょう。そしてそのために、彼女が、名前すら知られることのない多くの人々が、犠牲にしなければならなかったものとは何でしょうか?

 あなたはきっと、それは「価値のあることだ」と答えるのでしょう。人の命が奪われて価値のあることなど、あるのでしょうか? ただそこにいた人々の命を奪うことの価値など。

 わたしはある女性の言葉を聞いて涙を零しました。今までも言い古された言葉です。それはもともと、ある有名な歌でした。30年前にも11年前のときも歌われました。でもこのとき以上に重く響いたことはありませんでした。

 ただ、こう言っていたのです。

「想像してください。すべての人々が平和に暮らせる世界を**」

 と。だれ一人として例外なく。

* Quoted from 『Angel』 by Everything But The Girl.

** and 『Imagine』 by John Lennon.

Reported by Kentaro Kodama.


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