Radiohead at 大阪城ホール(2001年9月30日)
 僕にとって、今回のツアーが初めて日本で見るRadioheadのコンサート。やっぱり気になるのが日本のお客さんの反応だ。昨日のツアー初日公演の客の反応はそんなに悪くなかった。ただこの大阪公演二日目がそもそも最初に発表され、チケットの発売開始5分で売り切れた公演。それだけのチケット争奪戦を物にした客が集まるだけに、昨日以上の盛り上がりを、と期待が高まる。ただやはり不安なのが、昨日のライブ中に感じたRadioheadの淡々と演奏をしている姿。このまま日本ツアーの5公演全てこの調子で行ってしまうのだろうか。

 7時ちょっと過ぎに会場が暗転。その途端に昨日とは比べ物にならないくらいの大歓声。その歓声に手を振って応えるRadioheadの5人のメンバー。Radioheadのライブは見るたびにまるで別のバンドのライブを見てるような、ライブごとに違う印象を受けてきた。そんなRadioheadだから昨日とはちょっとは違うライブになるのかな、と少し安心した。

 オープニングは昨日と同じく「National Anthem」。トムヨークが歌いながら手を上げると観客から大歓声が沸き起こり、大音量の演奏すらその大歓声によって聞こえづらくなっていった。3年間来日を待ちつづけていたファンの欲求不満がこの時まさに爆発した。続く「Hunting Bears」、「Morning Bell」は昨日と同じ。4曲目の「Lucky」は昨日のアンコールに演奏された曲。こうやって演奏順を変えてくるのも、またRadioheadのライブを何度見ても飽きさせない理由の一つかな。ここまでは昨日と同じようになんとなく淡々と演奏をしている印象を受けたけど、次の曲から本調子のRadioheadを見た!

 『OK Computer』からのシングル曲である「Karma Police」。トムヨークが機嫌がよく、調子のいい時、彼はこの曲の「This is what you get...」という歌詞の部分で音をはずす。どうしてこう断定できるのかはわからないけど、Radioheadというバンドは調子のいいときに限ってボーカルは音をはずし、演奏が雑になりやすいバンド、ということを何度もライブを見ているうちに自然に感じるようになった。昨日のライブではどの曲も完璧で、トムが音をはずして歌うこともなかった。それが逆に不自然で気持ち悪く感じた。この日、最後の盛り上がりの部分でのジョニーがピアノを狂ったように弾く部分でも、ジョニーはもともとのメロディーは弾かずに、即興のメロディーを弾いていた。

 同じく『OK Computer』から演奏された「No Surprises」。Radioheadの曲の中でも最も美しいメロディーを持つ曲として、ファンの間でも大人気の曲。この曲でジョニーは鉄琴をたたいているのだが、その姿を写し出したスクリーンを見ていると、小学校の発表会に向けて、一生懸命に練習をしている子供を想像してしまう。この曲は聴いているだけで子供のような純粋さを思い出させてくれるようなやさしい曲。

 昨日は最後から2曲目、今日は中盤の12曲目に演奏された「Fake Plastic Trees」という美しい曲。この曲はそもそも先進国の大量生産、大量消費による発展途上国の人々の悲劇を歌った曲だという。最初はトムヨークのアコースティックギター一つに始まり、徐々に他のメンバーのパートが入っていき、最後のサビでその演奏は突然爆発して、同時に全ての照明が会場全体を包み込むように点灯しするという、ダイナミックかつエモーショナルで体全体に鳥肌が迸る。そしてあまりの演奏の素晴らしさに目頭が熱くなって涙が出てくる。僕はこの曲をライブで聞きたいが為にRadioheadをいろんな国へ追いかけている。この曲がツアーのセットリストにある限り、これからもRadioheadを追いかけていくんだろう。

 この日のアンコールはファンにとってはたまらないレア物大特集だった。まずは曲が書かれたのはデビューアルバムを録音している頃と言われている「Permanent Daylight」というシングルB面の曲。Radioheadにしてはなんだか懐かしく、聞いているだけで恥ずかしくなってしまうようなロックナンバーだ。続いては今ではあんまり演奏することのなくなってしまった、「Just」というアルバム「The Bends」で一番のロックナンバー。2回目のアンコールの3曲目にはCanというバンドのカバー曲で「The Thief」この曲を演奏する前にトムヨークが「ブッシュ大統領に捧げる。彼はいつだって盗っ人だった。」と言っていた。そして最後にはこれも今ではめったに演奏することのなくなった「The Tourist」。コンサートの終焉にぴったりのフェードアウト的な曲だ。

 最後の曲が終わるとメンバーは全員ステージ前で観客に手を振り、観客に向かって拍手をし、お辞儀をしながら惜しまれつつもステージを後にしていった。この日のライブは観客の反応、メンバーの雰囲気、セットリスト、演奏と全てにおいて昨日のライブよりも断然にいいものだったと思う。

 さて、次の武道館ではどんなライブをRadioheadは見せてくれるのだろうか。

--- setlist ---

1. National Anthem
2. Hunting Bears
3. Morning Bell
4. Lucky
5. Karma Police
6. In Limbo
7. My Iron Lung
8. Climb Up The Wall
9. Exit Music
10. No Surprises
11. Dollars And Cents
12. Fake Plastic Trees
13. I Might Be Wrong
14. Pyramid Song
15. Paranoid Android
16. Idioteque
17. Everything In It's Right Place

--- Encore ---

18. Permanent Daylight
19. Just
20. You And Whose Army
21. How To Disappear

--- Encore 2---

22. The Thief
23. The Tourist

Reported by Yohei Nogami.


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