|
浅草でサンバ。ニューヨークで花笠音頭とかパリで祇園祭とかナイロビでよさこい祭りというのが無いように、何で浅草でサンバカーニバルなんだろうか? 分からないときはネットで調べるというのが原則ですぐにこういうページを見つけた。それによると地域振興をもくろむ台東区長と伴淳三郎(本当に!?)が企画した、という話になっている。典型的な行政主導の商店街振興なんだけど、とりあえず、その祭りがスペインの牛に追っかけられるやつとか、イタリアだかのトマトをぶつけるやつでなくてよかった。 そもそも、高円寺阿波踊りとか札幌よさこいソーラン祭りなんてやるくらいで、自分の国の祭りさえ、言葉悪いがパクってしまう日本なんだから、元々日本はいい加減な国なんである。 さて、松屋デパートから地上に出ると、馬道通りに出ると大勢の人が通りの脇を埋め尽くしている。よく見えるポイントは後から来た人には入る余地はない。ところで、東京近郊で生まれて育って数十年、自分はあまり浅草に縁が無い。電車やバスの乗り換えで通過したくらいで、ほとんど初めてといってもいいくらいである。とりあえず、浅草初体験の自分は仲見世通りを浅草寺方面に歩いてみる。ここの通りに面している店は「外国人から見た分かりやすいジャパネスク」のイメージのグッズを売る店がまだまだ健在で、見回すと結構外国人が多い。中国か韓国から来ていると思われる人も多い。焼きたての煎餅が旨い。気分はおのぼりさん。 浅草寺の横の普段は駐車場になっていると思われるスペースがサンバカーニバルのリハーサルに使われていて、出発を待つ人たちでごった返していた。カーニバルに参加する人は(ダンサーでなく演奏の人)、驚くほど色んな人が集まっていて、はげたオジさんや主婦らしきおばさんもいる。そしてその演奏を指揮するのはロン毛の若い兄ちゃんだったりする。そのチームがどういう成り立ちで出来たか知らないけど、年齢の幅があるのはおもしろい。で、そのチームのリハーサルを間近で聴いたけど、演奏が上手いとかは関係なく、一斉に打楽器が打ち鳴らされるのを生で聴くのはかなり気持ちがいい。実際参加者の表情とか見ていると、ノリノリの人がいる一方で付き合いで駆り出された風の人もいるんだけど、それでも生の迫力の前では、どうでもいいじゃんとすら思えてくる。そして、こういうのを聴いて思うのは(広い意味での)テクノは世界各地のリズムの中で一番気持ちいいところを抽出して出来たのだということである。すべてのリズムはつながっているのである。 そして雷門通りに出てブラブラしながらカーニバルを観る。カメラを持ったオジサンが多い。もちろん、このカーニバルの最大のポイントはサンバを聴くことでなく、ビキニを着たねえちゃんが踊る姿を鑑賞することにある。まあ、そうでなければ、実は地元の人からさほど歓迎されていないといわれるこのイベントにこんなに大勢の人が集まるのも不可能なのかもしれない。もちろん、地元のカーニバルだってそういうものだろうし、きれいなねえちゃんが踊っているのはやっぱり観ていて楽しいし。周りの見物人の中に結構ブラジル人らしき人が多いのに気づく。やはり日本にいるブラジルの人にとってはこういうイベントでも、故郷を想い出させるものだろうか。だとしたら役に立っているじゃないか。 行政主導でも、スポンサーのアサヒビールが目立っても、ねえちゃんを撮影して投稿写真のネタにするおじさんが一杯いても、そもそもなんで浅草でサンバか必然性が分からなくても、とりあえず楽しいからいいのではと思う。これもまた日本的な光景といえるわけで。 Reported by Nobuyuki Ikeda. 無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to Nobuyuki Ikeda. They may not be reproduced in any form whatsoever. To The Top. |