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初来日のフレンチ二人組が、SummerSonicに出演!しかも初日のトリ! その大役の前の単独公演ということで、何はおいても見ておかなければ...と、いそいそとリキッドへ。 日本ではまだそれほど(?)の人気はないのかもしれないが本国では超のつく人気者。パリ滞在してた時にどうしても見たかったのだけどチケットは全てソールドアウト。それならばロンドンで... とも思ったがここでも完売御礼。ちなみに、このライブにはノエル・ギャラガー、マイケル・スタイプも来ていたという噂であった。残念に思いながら帰国したのだが、リキッドルームサイズでなんてフランスでは見られなかったかも。かえってラッキー? しかし、ライブ日程が近付くにつれ期待が少しづつ薄れていってしまった。理由は今年のフジで沢山のバンドの素晴らしいステージを見てすっかり気持ちがそちらへ入ってしまったこと。そして、これは彼等のデビューアルバムからもっている「イメージ」である。エールの曲はとてもビジュアルに繋がった曲... だと思う。聴いていて様々な情景、イメージを思い起こされる。そして、それは彼等のアルバムジャケットなどに見られる秀逸なアートワークのイメージとぴったり重なることがおおい。 しかし、その素晴らしいアートワークから溢れたイメージがあまりにも「オシャレ」すぎ。あまりにも「ファッショナブル」なのである。『オシャレで洗練されたフレンチポップ』...... 音楽雑誌が彼等のことを取り上げる時にこぞって使うフレーズである。「ファッションピープルからも絶賛」ってのもあったな。あの、そのフレーズ、聞いててとっても恥ずかしいのは私だけでしょうか...。確かに音がオシャレにきこえないこともない。でも、本人達はそんなこと考えてつくってるんだろうか?? 付け加えると、もうひとつ、何やら「王子様」的なムードも「キモ」かった。なんで? 悪いけど、そんなにかっこよくない! それならば、なぜライブ見に行くのか?ええ、決して嫌いじゃないんです、こんなこと言ってるけど曲、好きなんです...。 だけれど、そんな天の邪鬼な心はこの日のライブを見て一掃されることになる。そもそもこの単独公演は「エールは見ておきたいけども、サマソニではベックと時間がぶつかる。どうしよう。」という悩みの解決策でもあった。確かにパリでチケットとれなかった、初来日だし、「曲は」結構好き、等の思いもあったがここで見ておけばサマソニではベックをみれるわ♪という鬼畜な考えの方が優先していたのです。言い訳するつもりはないが、そのように考えた人は沢山いたと思う。だってどう考えてもベックとエール、ファンかぶってるもん。主催者側からは贅沢な悩みと言われようが、見たいものが見れないのはやっぱり辛いのよ。 pm8時過ぎステージに彼等が登場するとともに観客から拍手と歓声。しかし、熱狂的歓迎... という感じではない。皆、結構大人しい。フツーに、ほんとにフツーーーーーにエール登場。ステージ自体にも衣装にも特別凝っているわけでもない。JBとニコラが両脇に、セバスチャンテリエがやや後方(彼はエールがたちあげたレーベルからアルバムを出している。そしてこの日のオープニングアクトでもあった)そして中央はジェイソン・フォークナー(ジェリーフィッシュ)がツアーメンバーとして登場。おいおい、オシャレさんであるはずのエールよりもジェイソンの方がオシャレさんじゃないかい?? と思える程、JBもニコラもパンピー感かもしだしている。おっさんと青年の中間...というかなんというか... とにかく、いわゆる「オシャレさん」からは程遠い風貌と雰囲気での登場だった。JBはマントを着用。だがそれも彼のキューピーちゃんの用な可愛らしいお顔が上にのっていると、ハロウィンの「カボチャ大王」に扮する子供のよう。ニコラはフツーなんだけど、髪型がワム!時代のジョージ・マイケル(MAKE IT BIGジャケ参照)みたいだ。凄いぞ。こんなヘアスタイル、今どきあまり見れないぞ。これが本当に「洗練のフレンチポップ」「ファッションピーポーからも絶賛」な二人なんでしょうか。 メンバーがほどなく位置についたところで「Electronic Performers」で幕をあける。 「How does it make you feel」でロマンチックなエールワールドが次々と繰り広げられていく。その魅力とは一言で言うと「色気」。音に色気が溢れてる...とでも言えばいいのか。ダルでセクシーでファンタジックでスィートでちょっと毒があって...。特にHow does it make you feelは歌詞がコテコテにラブラブなので、(ex:君は最も美しい存在、君が僕を見つめる時、僕は救われるなどなどなど......)ナマで聞いてると、ちょっと恥ずかしくなってくる。 二人はもくもくと演奏している。特別なアクションや舞台の仕掛けは全くない。しかしそのたたずまいにまで妙な色気を感じてしまう。正直いって、二人とも女の子が熱狂して「きゃああああああ!!」と絶叫するルックスはしていないと思う。(JBは日本の女の子が『可愛いっ(はあと)』となるタイプといえなくもないが)でも、でも、曲を聴いていると段々と目がハートになってくるのは何故??エールのセクシーオーラにやられたのかしら? こんなに美しく、けだるく甘い色気のあるライブってはじめて......(私も...はぁと) 気がつくと「Radio#1」で嬉々として手拍子をとっている自分。目のまわりにハートを飛び散らせながら...。しかし、メンバーに対しての(はぁと)というよりも彼等のつくり出す「音」に(はぁと)状態なの〜〜あくまでもミーハーな気持ちはないの〜〜と心の中で言い訳。 「僕達の友人、ジェイソンが歌うソフィア・コッポラの映画の曲で「Playground Love」とニコラの紹介が入って、中央のジェイソンにスポットがあたる。この曲は映画「the Virgin suicides」の主題歌であり、サントラではピアノとキーボードがフィーチュァされた曲だったがアコースティックギターのイントロではじまるアレンジにかわっている。 ズッキ〜〜ン。もともとこの曲は切なくて大好きなんだけど、ナマで、またこのアレンジで聴くと胸がきゅんとなってしまうワ... やっぱりこの人たち王子様かも... この曲で会場のほとんどの女子はもっていかれたと思う。いや、男の子だって...。 時々、曲間に「アリガト」「Thank you」と静かに言う。でも「メルスィーボクゥ」と言っていた時がやっぱり一番かっこよかったぁ!!! 隣の女の子が思わず「か、かっこいぃ〜〜っ」と声をうわずらせるほどであった。ちなみに、MCをとるのはほとんどニコラで、ジャンはマントをかぶったまま陶酔... という感じでありました。 「People in the city」では曲の終わりに一転してハードロックさながらのギターをかき鳴らし、ジェイソンはベースを叩きながらヘドバン!エールでヘドバン! うわ〜〜こんなベース弾く人って、はじめて見たかも。ジェイソン・フォークナー、要チェック。あまりの高揚感に脳みそもシェイクされ。わりと大人しめのオーディエンス... と思ったがさすがに皆飛び跳ねて弾けている。この時点で会場s全体がセクシーオーラに包まれていた。 そして秀逸だったのがバッファロードーターの二人を迎えての「Sex born poison」。これはアルバムを聴いた時に、日本語で「愛欲の波に泳ぐ」なんて凄い歌詞だったんでちょっと驚いたんだけど(この日本語部分、続く同意味の英語歌詞をバッファロードーターが歌っている)2ndアルバムの『10.000Hz Legend』にはこんな「オトナ」なムードが漂っている。そしてライブでは2ndからの曲がほとんどだった。 でも、セットがほとんど2ndから... という曲構成は結果的に大成功だったように思う。 1stも悪くない。しかし、今の等身大のエールの音を堪能するのならばやはり、2ndに溢れる「けだるい」「夜の」「エロティックな」「毒気」というエッセンスは欠かせないだろう。エールの音楽はまるで上質な映画の世界(を見ているのではなく)の中に私達をつれていってくれる。でもそこはハリウッド的薔薇色ハッピーエンドワールドではなく、少し鬱な曇った灰色の、切なく美しい世界...。 最後まで愛(!!)のエールワールドを繰り広げ2回もアンコールしてくれた。感激〜〜!! 大人しいと思われたオーディエンスも胸を熱くしていたようで、メンバーが舞台からひっこんでしまうと、いきなり皆で手を叩き足を踏みならしたので、ちょっと驚いたりして。エールの二人も驚いてたりして。 もちろん最後の曲は「セクスィーーーーボーーーーーイ」!!です。なんてこの夜にピッタリなタイトル。正直、この曲は彼等の最大のヒット曲でもあるが、あんまり好きじゃなかった。キャッチーすぎるし... アンチ・オシャレ魂が頭をもたげていたのだろうか。ということは「イメージ」に振り回されていたのは自分の方だったりして。アートワークや、メディアがつくりあげたイメージに翻弄されて、妙な偏見をもっていたのかもしれない。私は「ダサっ!」というアートワークやイメージで中身は「イイッ!」音楽にはあまり偏見をもたずに入り込めてしまうのだが(あ〜あ、こんなジャケットつくっちゃってさ。愛いやつ♪と言う具合に愛さえ感じる)逆のパターンはどうにもイケない。確かにアートワークやイメージはアーティストのつくり出す世界をオーディエンスに伝えるために有効な手段だ。でも、それはあくまで作り手側のパッケージであって、本来中身を味わうもの。 そして送りだされた作品にどのようなイメージを抱くのも私達の自由。「実に当たり前のことだけど、こういうことに振り回されがちだよなぁ〜」などと手を叩きながらぼんやりと思ったが、すぐに目がハートになってしまって芽生えかけた反省モードはどこかへぶっ飛んでしまった。 最後にニコラが「Merci beaucoup!A demain!(どうもありがとう! またね!)」と言って終わった...... 終わったの... 終わってしまったの... うう、まだまだ見たい。セクシー余波からしばらく抜けきれなかった私が当初の目的とうってかわってベックを蹴って(断腸の思い)サマソニでもエールにかぶりついていたのはいうまでもなく。余談だが、ライブにはベックが飛び入りするんじゃないか... なんて噂も流れていたりしたが(アルバムの中の「The vagabond」はベックがボーカルで参加)ベックはどうやらお客として来ていたらしい、しかも観客席に。まわりがベックベック騒ぐのでいやでもわかった。さすがスター、ベックたん。注目あびまくりでした。 最後に。自分のことを棚にあげて生意気いわせてもらうと、こんだけ奥深い美しい作品と、それをつくった人たちを「オシャレ」とか「洗練」とか「ファッショナブル」って言葉だけで片付けのって、どうよ? 「ダフトパンクに続くフレンチポップの雄」ってのも「なんじゃゴルァ!」って感じ。悪いけどフレンチポップとかって枠組みに入らないと思うの、最早そんなもん、超えてるわ。 あ、「王子様」はあたってると思うけど♪うふ♪ Reported by Mimi. 無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to Mimi. They may not be reproduced in any form whatsoever. To The Top. |