JJ72 at 渋谷クアトロ(2001年8月6日)

 

 

 

JJ72

 

 

 

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JJ72

 

 

 

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-- JJ72 setlist --

01. OCTOBER SWIMMER
02. LONG WAY SOUTH
03. SURRENDER
04. FORMULAE
05. SNOW
06. ALGERIA
07. DESERTION (acoustic)
08. WILLOW
09. OXYGEN
10. UNDERCOVER ANGEL
11. BUMBLE BEE

 

JJ72 at 渋谷クアトロ(2001年8月6日)

 

 今回のJJ72のライブはfra-foaという日本のバンドと一緒に行われた。前座ではなく、あくまで対バンということらしいが、あまり興味が湧く組み合わせではなかったので、JJ72の出番を見計らって会場に行くことにした。

 8時頃に着いたクアトロは満員ではなかったが、まあ、そこそこの入りといった感じ。ライブの告知から当日までそんなに時間が無く、宣伝も少なかったのでこんなものだろう。少し寂しい気もするが、でも、途中から来た人間にとってはこの方が都合がいい。満員だと後ろの方で見るしかないが、この程度の入りなら人の隙間をぬって前へ行くことができるからだ。今回も無事、前から2列目をキープすることに成功。しかも、運良くマークの目の前だ。あとはニルヴァーナのSEが流れるなか、彼らの出番を待つだけである。

 不意にディストーション・ギターの轟音がやみ、ステージの上に黒服で固めた3人が静かに登場した(ファーガルは赤を着ていたかもしれない)。ステージに上がった3人を見て、まず最初に私が確認したのは、写真によって美しさにばらつきがあるヒラリーだ。実際のところどうなのか。暗がりの中、目を凝らして見た結果は、う〜ん、プロのカメラマンって凄い、という感じか(ゴメンナサイ)。よく見たら結構肉付きもいいし。残念。

 しかし、そんな下らないことで気落ちしている暇はないぞ、とばかりに目の前にいるマークが美しいアルペジオを奏で始めた。『october swimmer』だ。「僕には誰も必要無い/君にも誰も必要無い」しかし、「僕はただ幸せになりたい」という非常に彼ららしい引き裂かれた歌詞を持つ繊細で美しいナンバー。でも、マークの演奏はちょっと走り過ぎ。大丈夫か、と心配していたら、他のパートが入ってくるサビでは、やはりアンサンブルがいまいちまとまっていない。う〜ん、やっぱり噂通り演奏は上手くないなあ。でも、出す音一つ一つにJJ72というバンドの自信とプライドが染み込んでいたので、演奏は下手でも、場の空気はしっかりと支配することができていた。なぜ自分はこの音を出すのか、なぜ自分はこの歌詞を歌うのか、なぜ自分はステージに立っているのか。そのことに対する揺るぎ無いビジョンがなければこんな音は出せない。音楽的には特に革新的な部分がないのに突出しているという彼らの不思議な魅力の理由に、ここで少しだけ触れることができた気がした。

 今回のライブのハイライトは、シングル曲『oxygen』や、ノリのいい『algeria』辺りだったろうか。この頃には演奏も安定してきて客のノリも絶好調だった。まだ所々に水溜りが残る雨上がりの街並を眺めているような、JJ72らしい瑞々しい爽快感が会場を満たしている。

 マークが一人でやるアコースティク・セットも、曲が生まれる瞬間を再現しているようで興味深かったし、彼ららしい繊細さが出ていて非常によかったと思う。

 そして、最後はJJ72の曲の中で最も激しく暗い『bumble bee』だ。アルバムで聴いたときは、彼ららしいロマンティクさを感じられたが、意外にも性急で荒々しい演奏を見せるライブステージでは、そのような要素は身をひそめ、激しく叩きつけるハードロック・ナンバーに変身していた。よく見ると、ファーガルはいつのまにか悪役レスラーのような覆面を被っているし。マークもお約束通り、曲の最後にギターを破壊。まあ、これも彼らなりのエンターテイメントか。マークは客の期待に応えるだけではなく、客を驚かすようなことをやりたいとよく言っているから。実際、どこか不穏な空気を残したままライブは終了した。

 しかし、これは成功だったのだろうか。「聴き手を裏切る作品」は、しばしば高い評価を受けるが、それは聴き手が裏切られることを望んでいる場合だけだ。最後の曲で突然、自分たちの魅力である情緒的な要素を断ち切ってみせた彼らの裏切り方は、どうも空回りしていたような気がしてならない。その点については本人たちも、もう少し考えてみてもいいと思う。

 アンコールも無いステージに客は満足しきれない様子だったが、スタッフたちにせかされて渋々会場をあとにしていった。

 そう、彼らは決して上手いバンドではない。いったんライブが始まって飛び立てば、後はどこに着地するのか分からない目隠しのハングライダーだ。しかし、地上から離れるときは、誰よりも高いところへ行こうと、力の限り踏み出してみせる。それは安全な着地をしようとパラシュートでゆっくりと空から降りてくるテクニシャンたちよりも、よっぽどスリリングで魅力的だ。私は今回のようなライブで100%満足というわけではないが、また彼らが力の限り踏み出してくれるのならば是非行きたいと思う。そして、そのときこそは、「同じ夢で固く結びついた僕ら」は、「空気さえ薄くなり始める空高く」にまで昇りつめていきたい。「酸素さえ必要無い」ほどの興奮を感じながら。

Reported by kobayashi.


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Marimi HORIMOTO. They may not be reproduced in any form whatsoever.
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