|
今年のフジロックもいろいろあって大変な思いをしたり、感動したりということがたくさんあったけど、ここではフジロックで感じた2つのことを書きたい。 まずは、前夜祭、ようやく間に合ったブンブンサテライツのステージでレッドマーキーにつめかけたお客さん達の「これから三日間フェスが始まるんだ!」というワクワクした期待が形になって、テントの中で渦巻いているように思えた。ブンブンのメンバーもその雰囲気に反応したのか、非常にリラックスした演奏で応えていた。演奏の完成度はいつものブンブンよりも落ちているようにも思えたけど、そんなのはどうでもいい、彼らがお客さんの空気を感じとる生身のバンドであることが嬉しかったのだ。ライヴはやっぱり演奏者とお客さんとそのライヴが行われる場所、時間が作り上げるマジックなんであると改めて感じた。 この前夜祭の空気は、オアシスエリアでの各DJブースに集まって踊っていた人達からも感じることが出来た。これから始まるフェスティバルに来たんだ、という喜びをみんな精一杯表していたのである。このみんなの期待感が手で掴めそうな会場の空気は、非常に感動的で、その高揚感に乗せられ、自分も涙が出そうになった。 もうひとつは、2日目の終わり頃、リッチー・ホウティンのDJをちょっと覗いてホテルに帰るとき「ヤバイよ、あと一日しかないよ」という軽い鬱のような気持ちになった。フジロックを一週間とか10日間やりたいという日高さんの言葉が冗談とは思えない。「こんな楽しいことが3日で終わるなんてもったいない」というのが体に重くのし掛かってきた。まあ、せめて5日とか。始めの方は全部のステージ使わなくても、有名どころは出なくてもいいから。いいライヴも、残念だったライヴもあったし、サーカスとかストリップとかも印象に残った。だけども、今回のフジロックで沸き上がった2つの感覚は、今の自分には無かった、というか、あったのだけど眠っていたのを呼び起こされた感じだ。 フジという空間は普段、われわれが日常生活を送っているときに、見逃してしまう感覚を呼び起こすのである。フジに来たみんなもそんな感覚を自分の中に見つけて、驚き、感動したのではないだろうか。そりゃ会場は遠いし、お金はかかるし、休み取るのも大変だけども、苗場という環境を得て、音楽を媒介にして自分の中にはさまざまな感覚があることを見つけることが出来るフジロックは素晴らしいと思う。 Reported by Nobuyuki Ikeda. 無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to Nobuyuki Ikeda. They may not be reproduced in any form whatsoever. To The Top. |