SCHWEIN @ 赤坂BLITZ (12th Jun. '01)
まったく統一性のない客層。普通なかんじの人あり、パンク系、ビジュアル系、リンプのTシャツの子あり。赤坂の駅を降りたところに溢れかえる人々を見て、一体どういった人たちがライブに来るのだろうと思っていた私の頭は更に混乱した。照明が消えた瞬間の「あっちゃーん」「イマイー!」の歓声。これは、Buck-Tickのライブだったのか? あら、「サシェー!」の声も聞こえる。ステージの「SCHWEIN」の文字を目にしても、どうしてもBuck-Tickが頭から離れない。それもしょうがない。ドイツでインダストリアル・ロックの先駆けと言われるKMFDMのサシェ・コニエツコ、イギリスPIGのレイモンド・ワッツの名を知らなければ、どうせBuck-Tickの延長線上で、曲想も彼らの色濃いものだと侮っていた。
真っ白な衣装を着た今井の登場に続いて巨人レイモンドが現れる。遠めで見ても異様にでかい。横に来た桜井を抱え込み、しばし熱い抱擁。元々彼は華奢だけど、あの巨人に飲み込まれてしまうんじゃないかと思うほど、小さく見える。この2人、曲ごとに目を覆いたくなるほどの絡みがある。バックコーラスの女性(この彼女が細くて可愛い)との絡みは、あまりに濃厚だけど、彼女の妖艶さに目が釘付けになる。
CDで聴く限り、あまりにダークなイメージで、これがライブ通して続くのか、と少々重い気持ちではいたけれど、"Crown"、"Lard,Lips,Liquor"、"Schwein"は予想以上に乗りの良い曲で、会場を沸かせテンションを最高潮まで一気に持っていく。BLITZ全体がビリビリいうほどの低音と場内の熱気。こんなテンポのいいかっこいい曲もあったんだ。機械音が四方八方にぶつかり跳ね返ってくる。耳慣れないデジタル音で、そこは現代の赤坂ではなく、未来にワープしてしまったような気になる。鋼鉄の音、デジタル音、地を響くような声、耳をつんざくような叫び声。色とりどりの照明はまるでレーザー光線のようで、時折連射される銃声のような音とあいまって、体を打ちぬかれているよう。
"Spank The Monkey"や"Porno"のような倦怠感溢れるような曲では、人々は思い思いに体をくねらせ、カオスに酔いしれていた。一種独特の異様ともいえる音楽の世界。そこまでどうしても人間の体温を感じ取ることができなかったが、"Slip"で「こんなに幸せなんだ 涙も出やしないほど」という歌詞があまりに悲しく聞こえて、「とっても悲しみなんだ 生きてる事 晴れわたる空」と身をかがめて歌う桜井が苦悩に打ちひしがれている感じで、切なくて、そこでようやく彼らの体温を感じ取れたような気がした。個人的に、私は桜井の詩的で巧みな言葉遊びの歌詞が好きだ。それがここでも活かされているのは嬉しいことだ。
サシェが健康上の理由で今回参加していなかったので、本来のSCHWEINのあるべき姿が見られなかったのは残念である。懸念していたBuck-Tick色が曲想でもパフォーマンスでも濃くなっていないのは、サシェとレイモンドと4人で新しいものを作り上げていこうとする、強い結束と野心の現われでもあるだろう。アルバム7曲目"Schwein"の"Schwein ist international"(シュヴァインはインターナショナル)」の言葉が印象的だ。海外でも、日本同様、多くのを人を魅了してくれるだろう。今後の海外リリースと活躍に、ぜひとも注目したい。
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