Appleseed Cast
at at Kafe Kult, Munich(2001年6月3日)
 

Appleseed Cast

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 6月3日の朝、僕はミュンヘンから約200km離れたニュールンベルグで行われていたRock Im Parkフェスティバルの会場にいた。この日はフェスティバルの3日目。しかし、僕はこの日は一つのバンドも見ないで、テントを片付けてフェスティバルの会場をあとにした。この時点で僕が一番ライブを見てみたかったバンド。アメリカはカンサス州出身のいわゆるエモ系の代表格、Appleseed Castのミュンヘン公演を見に行く為だ。

 会場はミュンヘン中心から少し離れた住宅地にあるKafe Kultという小さなライブハウス。なにやら怪しいサーカス団の宿舎のような場所の中にあるライブハウスだ。会場入りは午後8時。入り口で入場料の15マルク(約900円)を払って中に入る。ここは50人も入れば満杯になってしまいそうな小さな会場だった。

 この日はEMO is Evilと名付けられたイベントの二日目で、合計6バンドが登場する。ただApplessed Castと、ずっとヨーロッパツアーを共にしているドイツのSometreeというバンド以外はどうやら地元ミュンヘンのアマチュアバンドのようで、来ている客もほとんどがその友達のという感じだった。特別、Appleseed Castを見に来ている客はほとんどいなそうだった。

 ツアー前座のSometreeが始まったのが11時。サウンドチェックの時にボーカルがRadioheadの"Motion Picture Soundtrack"をアコースティックで歌っていた。このバンドの演奏が不覚にもまさに衝撃的だった。最近、日本で話題になっていたMogwaiのライブに近い。極上の美メロディーと、怒涛の爆音ギターで終始襲いかかってくる。もしMogwaiが深夜の混沌とした雰囲気の中での怒りを表現しているとしたら、こちらは早朝の夜が明けはじめた時に、すばらしい一日の始まりに対する希望。前座で早くも新しい凄いバンドに出会ってしまった。

 そしてAppleseed Castが出てきたのは深夜0時。バンド構成はというと、想像していたルックスとは全く違った髭面のVocal&GuitarのChristopher Crisci、MCで冗談をいいながら会場を和ませていたGuitar&VocalのAaron Pillar、終始目をつむってまるで何かに取り付かれているように演奏をしていたBassのMarc Young、そして完全に自分の世界に入ってひたすら首を上下に振りながらドラムを叩いていたJosh Baruthの4人。 この日のセットは8月に発売されるニューアルバムと、去年発売されたアルバム「Mare Vitalis」からの曲がほとんどだった。前半は新譜からの曲が中心で、ライブで聴いた印象だと、どちらかと言うと今までの音に比べて暗くて複雑。しかし、その中にもAppleseed Cast流のエモーショナルな部分も垣間見られた。

 後半は「Mare Vitalis」からのエモーショナルかつ美しいメロディーを持つ曲のオンパレードだった.。"Fisshing The Sky"、"Forever Longing The Golden Sunsets"、"Santa Maria"、"…And Nothing Less"。特に個人的にこのアルバムで一番気に入っている"Fishing The Sky"の演奏はまさに圧巻。この曲の基本はインストで、徐々に盛り上がって行き、途中から叫び声のようなボーカルが入ってくる。この曲がアルバムバージョン以上にダイナミックかつドラマチックに表現されていた。

 終演したのは夜中の1時をまわっていた。もちろんホテルへ戻る交通手段は既に終わっている。結局、ホテルまで約一時間半かけて歩くことになったのだが、これだけすばらしいライブを見た後なだけに、霧雨の振るまだ肌寒いミュンヘンの夜を歩くのはやけに気持ち良かった。

 

Reported by Yohei


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