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ギブソン・レスポールを抱えた刺青だらけのギタリストの上半身。そんなジャケット写真のイメージを全く裏切らない徹底した王道ロックン・ロール。それがアメリカン・パールだ。ガンズ&ローゼズやバックチェリーが好きな人なら、間違いなくOKなカッコ良さ。それに加えて、ここのギタリスト、ケヴィン・クイン自身がガンズやカルトなどのメンバーに刺青を施すほどLAじゃ有名な彫り師だったと言う。そりゃぜひともかぶりつきで本場の刺青を拝んでこなきゃ――。 と楽しみにしていた来日だったのに、来日直前にそのケヴィンの脱退が判明。せっかくの初来日でオリジナル・メンバーを見ることができないなんて…とがっかりしながら会場に向かうとさらにびっくり! ほとんど人が並んでいないのだ。さぞかし刺青だらけの恐い兄ちゃんでぎっしりだろうと覚悟していたのに、あまりのガラガラ具合にすっかり拍子抜けしてしまった。いくら何でもこの入りはかわいそうだよ。ほんとに今日やるんだよね? あれこれ心配が尽きない中、サポートのBEFORE CHRIST BUTTERFLY に続いてアメリカン・パールも無事登場。アルバムと同じく"CALIFORNIA" でスタートだ。中央に立つヴォーカルのケヴイン・ロエントゲンの骨太い声。左手には角立てまくりの金髪で、ベースをブンブン唸らせるロドニー。後方にドラムのノア。もう一人右手に立っているアジア系の彼が新ギタリスト、スティーヴィーか。音はイメージどおりにゴツゴツしているが、目の前で見たメンバーはみな思ったよりもずっと小柄な感じ。それでも両腕には長袖シャツの模様かと思うぐらい隙間なく刺青が施されている。 3曲ほどやったところで、「コンニチワ、オオサカ」と挨拶しつつ、それまで着ていた赤いノースリーヴのシャツを脱いで上半身裸になったケヴィン。ああ、あのジャケット写真と同じだ。そしてギターのストラップに隠れてはいるけど、心臓のあたりにしっかりと「信」の一文字が刻まれている。ああ、いいなあ。ロックン・ロールを信じてるぜ!ってとこかな。背中にも ROENTGEN の花文字が見える。このみごとな刺青、他のメンバーのもみんな辞めた方のケヴィンが彫ったんだと思うとちょっと複雑ではあるけどね。 アルバムをほぼ網羅する形でステージは淡々と進む。大好きな"UNDERGROUND" や「映画『スクリーム3』のサントラに使われた曲だよ」と紹介してくれた"AUTOMATIC"。王道にレトロにステレオタイプ――。新しくも何ともない音のことを示す言葉はいくつもあるけれど、彼らのまっすぐな音の中にいると、自分が生まれて初めてロックを「カッコいい!」と思った時の感触がそのまま甦ってくるような気がするのだ。名バラード"BLEED"からアンコールの爆走ナンバー"AMPHETAMINE GIRL"まで全部含めても40分ぐらいだったろうか。時間だけじゃなく、ファンとのコミュニケーションひとつにしても、正直まだ物足りなさは隠せない。でも、いつかこんな少ないお客の前で演ったのが伝説になる日が来てくれたら、目撃した一ファンとしてうれしい限りだ。そう、あの「信」の文字もきっとその日を夢見て刻まれたのに違いないのだから。 - SET LIST -
1.CALIFORNIA -encore- 10.AMPHETAMINE GIRL
おまけ:音はここで聴けます↓ Reported by 小谷育代. 無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to 小谷育代. They may not be reproduced in any form whatsoever. To The Top. |