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はっきり言ってこの組み合わせは濃い。カルテットだけでも相当濃いのだが、加えてゲストのBrigitte。とにかく面子だけは一見の価値がありそうだ。とは言え多少の座持ちの悪さは覚悟の上である。昨年のKim's Bedroomでの芳しからぬ評判と、Sonic Youthで見たKimのパフォーマンス 。いくらSYRリリースの批評が良くても、ライブは高望みしない方が無難だろう。 今回Kimはギター、マラカス、ヴォーカルを担当。ベース・MixにJim、パーカッションにIkue、そしてDJ Olive。Kimは詠み上げる様なボーカルに、所々ギターを引掻いてアクセントを入れる。後は意識的にリズムを排すパーカッションと不協和音に徹するギター、ベース。DJは時折まとまったリズムを入れるが、音としてはほとんど目立たない。全体的にExperimentalと聞いて先ず思い浮かぶタイプの音が単調に続く。ルールが無い代わりに展開も無い。一昔前の現代音楽のラベルだけ張り替えた感じだ。 退屈し始めた頃、この日のハイライトがやって来た。Brigitte Fontaine。既に過去の人かと思いきや、並外れたパーソナリティは健在。既に存在自体が反則の彼女、この日も初っ端からやってくれた。先ずKimが歌う「I wish Brigitte was standing next to me...」という登場のキューを軽くすっ飛ばし、演奏が中断。Kimが「お願いだから出て来て!」と叫び始め、会場は困惑ムード、やっと登場と思ったらピンクのスタジャン、ピンクのアニマルプリントにピンクのスニーカー、坊主頭に網状の被り物。挙げ句に奇妙な動作と表情で、一瞬にして客を盗んでしまった。ペナルティーものである。 舞台を縦横に動きつつ単発の台詞を詠うBrigitte。他の面々は彼女の動きを真剣に見つめてタイミングを読んでいる。同じ演奏が張りを帯びて聞え、一見ランダムな間から徐々にリズムが。それが山場でメロディーとなり"Ah Que la vie est bell"へふくらむ。極めつけは"Conne"。ベックの"Loser"狂気のシャンソン版と言った所か。「私は馬鹿ぁっ!!」と言う叫びと共に、Brigitteは出番を閉じた。 再度KG カルテットに戻った舞台。Brigitteの動物的な動きが消え、静まり返る。「あなたのお父さんは金持ち、あなたのお母さんは美人、泣いてみたらどうよ!」オーガンジーの服を纏い中央に立つ金髪のKimが叫ぶ。自らの美貌も知性もかなぐり捨てるBrigitteとは対極に立って、頑なまでに自分を崩さない。Kim Gordon強し。そして真剣。しかし既存の音楽規則を破る事に真剣になる余り、Experimentalのクリシェで終始してしまう。そんな感が否めない。ある意味昔気質のBrigitteが、KGカルテットより斬新だったこの日のライブ。Experimentalと称する事の皮肉を感じた夜だった。
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