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「クイーン・キッス・エアロスミス」が音楽雑誌のグラビアを賑わせていた70年代半ばにロックに出会いながら、どういうわけかキッスだけは今までずっとライヴを見る機会がなかった私。解散ツアーなんて言われてようやくの初体験になってしまった。 まず21日。いざ大阪城ホールに乗り込むと、いるいる、エースに成りきりコスチュームやら、顔をそれぞれにメイクしてる軍団。でも、極めつけは大阪城ホールもぎりのお姉さん達。ちゃんと制服を着てはいるけど、顔はみなあのメイク! 何年も通ってる城ホールだけど、こんなお迎えは初めてだ。私もさっそく友人の黒口紅を拝借して気分はちょっぴり「KISS ARMY」。 7時を15分ほど過ぎて暗転。ブルーのピンスポットが場内をぐるぐる巡る。ドンパチ祝砲と共に始まったのが"DETROIT ROCK CITY" !うわっ、いきなりこんな極めつけ、いいのか?と自問するまでもなく、さっそく拳を振り上げ、コーラス参加だ。やっぱりこれは数あるキッスのヒットの中でも最高にカッコいい。ポールが「今夜は熱くなるよ」と上に来ていたシャツを脱ぎ、予定通り胸毛を見せるスタイルになったところで、またまた大コーラスの"SHOUT IT OUT LOUD" へ。 FIREHOUSE"ではジーンの火吹きもしっかり目撃。今をときめくラムシュタインだって、ここから始まったんだよな。続く"DO YOU LOVE ME"で、バックのスクリーンに今までの歴史を総括するようなライヴの映像が次々と流れる。でも、その中の彼らと今目の前でやっている彼ら。どっちが今でどっちが昔なのか、一瞬わからなくなる。 「上を向いて歩こう」を歌ったり、一人で電話の真似をしたり、"PSYCHO CIRCUS"の曲にひっかけて「アナタハサイコー、サーカス」なんてベタなしゃれまで披露してウケてたポールはサービス満点のフロントマン。もちろんそのヴォーカルも素晴らしくよく響く。エースは、意外なほど弾きまくりなギタリストだ。ギター・ソロではあのギブソン・レスポールが煙を吐きながら宙を舞い、「ツァラストゥラはかく語りき」の壮大なロック・ヴァージョンで、スクリーンの中、宇宙を駆ける。怪獣ジーンは口から血をダラダラ流し、長い舌をベロベロやったかと思うと宙吊りになり、急遽オリジナルのピーターに替わって参加したエリックも、ヴォーカルはもちろん、迫力のドラム・ソロで唸らせる。4人ともあのメイクのキャラクター以前に力量のあるミュージシャンなのだと今さらながらの実感。"LOVE GUN"では、ポールがロープウェイのように空中移動し、アリーナ中ほどのセンター・ステージで大喝采となった。 アンコール、大ラスでようやく待ってました!"ROCK AND ROLL ALL NITE"に。ドンパチ祝砲も最高潮。まわる花火の大サービスに止むことのない紙吹雪。大興奮の中響きわたる「ア〜イ、ウォナ、ロケンロー、オーナーイ」の大合唱。私はもう10代の少女ではないのに、キッスはその頃私が見ることの叶わなかったド派手で楽しいロック・ショウを二十数年後の今、目の前でやっている。まるでロックの魔法にかけられたような140分だった。 続く22日も同じように進み、仕掛けも曲順もわかってるのにやっぱりドキドキ。昨日はアリーナのとんでもなく後方、そして今日はスタンド席だが、みな総立ちで歌いまくるのに変わりない。それでもやはり最終日のサービスか、ドンパチ花火の迫力も音のバランスも今日の方が勝っている感じ。「明日帰りの飛行機に乗ったら、飛行機の窓からナンバー・ワンのオオサカにさよならって言うよ」なんて言葉には、さすがにキュンとなる。昨日より少し長めのショウは同じく"ROCK AND ROLL ALL NITE"で終わりを告げた。まだこんなにすごいロック・ショウができるのになぜ解散? という想いと、これだけのことを30年近くやってきたからこそ大変だったのだという想いを仲良く残しつつ、私とキッスとの2日間は終わった。 しかし、この20年あまり、すっかり遠ざかっていたはずなのに、こんなにもキッスが自分の中に刻み込まれ、今でもこれほど楽しめることに一番驚いたのは、他ならぬ私自身である。10代の頃に刻まれたものは、きっとこうして一生残っていくのだ。たとえもうライヴを見ることがなくても、KISSの4文字は、あのステージ・セットそのままにこれからも私の中で輝き続ける。
- SET LIST - 3/21
1.DETROIT ROCK CITY - Encore --
21.I WAS MADE FOR LOVING YOU 3/22-
1.DETROIT ROCK CITY - Encore --
22.I WAS MADE FOR LOVING YOU * Special Thanks to: M. Tagawa Reported by 小谷育代.
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