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前回99年の来日は真冬に震えながら見に行った記憶があるが、この日の大阪も3月とは思えぬ寒さだった。そんな中、手荷物預けやチケット・チェックの嵐で、とにかく自分のブロックに辿り着くにも一苦労。ようやく右スピーカー寄りの柵前に陣取ると、ステージにはまだ白い幕が掛かったままで、BGMはビートルズが続いている。 7時を20分ほど過ぎたところで、年老いた魔女の呪文のようなしわがれ声のイントロに続いて、ステージを覆っていた幕に映し出されるグロテスクな脳の図。キリキリとネジを巻く音は"COUNT TO SIX AND DIE"だ。マントを大きく広げた男のシルエットに歓声が上がったかと思うと、幕が落ちてマリリン登場。"IRRESPONSIBLE HATE ANTHEM"へ続いてさっそく重量級の展開だ。黒いビスチェ(コルセット?)姿に、下は黒の穴あきボンデージ風タイツというスタイルのマリリンは、金髪のウイッグのような羽飾りを振り回し、身体をのけぞらせて歌いまくっている。スモークのあまりの凄さに、他のメンバーを確認するまでにしばらくかかった。"DISPOSABLE TEENS"は、予想通りライヴでは大ノリの1曲。右手のベース、ツィギーはゴスな黒いコートを着て、私達と同じように飛び跳ねながら弾いている。そして後方ではモヒカンが強烈なキーボード、ポゴが揺れる。おい、ちゃんと弾いてるか? "TOURNIQUET"では前回も披露した竹馬登場。あの高さから杖振られたら、ネタはわかっていてもやっぱり迫力。さらにお得意のアジるナンバー"THE FIGHT SONG"。「FIGHT、FIGHT!」の連呼で煽りまくる彼に応え、皆の拳が上がる図は壮観だった。トーチ・ライト片手に客席を照らしたり、何度かステージ下に降りてきたりと、ファンとの距離は前回よりずっと近い感じだ。その一方で、黒のロング・スカートのマリリンが天井のライト近くまでぐんぐん上に伸びて巨大化していく"CRUCI-FICTION IN SPACE" や、ナチ帽姿で赤い大演壇に立った"THE LOVE SONG"など、これまでの「教祖マリリン」な仕掛けも随所に。衣装を替えたり、自らもギターを抱えて歌ったりとあれこれ見せつつ、オーサカ!の絶叫と共にラストは極めつけ"BEAUTIFUL PEOPLE"で爆発。 そしてアンコールは"ROCKN' ROLL NIGGER"。大好きなパティ・スミスのド迫力カバーだ。おとついの東京ではやらなかっただけに大興奮。上半身裸のマリリンは、タイツをきわどくずり下げ、エッチにペットボトルを挿んだりして、ついには生尻もバッチリ披露。最後はステージ中のペットボトルを投げまくってのご帰還だった。 『メカニカル・アニマル』で見せたキャラクターと決別し、純粋にヘヴィ・ロックに 戻ったかと思った彼だが、ライヴはやはり竹馬、演壇、お尻の披露と「マリマンのお 約束」は不滅だった。それを堪能した一方、前回ほど異様な熱気はなく、怖い思いも せずに済んだためか、インパクトはやや薄まり、「マリリン・マンソン」としての彼 の中に、生身の等身大のロックン・ローラーとしての彼が鬩ぎ合うようなショウだっ た。この先どこまで「マリリン・マンソン」であり続けるのか。それはたとえば彼を ロックへと導いたキッスのように器用に仮面の着脱が出来ない限り、より厳しさを要 求されるに違いない。そこを越えた彼との新たな再会の日は、もう少し先になりそう だ。 - SET LIST -
1.COUNT TO SIX AND DIE - ENCORE - 19.ROCKN' ROLL NIGGER Reported by 小谷育代. 無断転載を禁じます。The copyright of the text belongs to 小谷育代. They may not be reproduced in any form whatsoever. To The Top. |