小野リサ 〜Winter BossaTour〜 at 鎌倉芸術館(2001年11月26日)
 ボサノバというジャンルは不思議だ。ジャズのように複雑なメロディなのに、軽快かつメロディック。気持ちよいサウンド。とても陽気な昼下がりな感じである。

 さて、小野リサもボサノバ歌手である。MCも力の抜けた感じがしてて微笑ましい。

「ボサノバは聞いていて眠くなりますけど、みなさん眠かったら寝てくださいね(笑)」と言った感じだ。

 小野リサのボサノバサウンドは、注意深くその音に耳を傾けようとすると、リズム、ギターの絶妙なコンビネーションの上にボーカルが乗ってきて楽曲として非常にしっかりとした感触を覚えるけど、あまり注意深く聞かずまるで街を歩いてて聞こえる騒音のように聞き流すとそのサウンドが心地よくなっていく。興味を持たなければ(注意しなければ)少し遠くで鳴っているようかのサウンドである。

 パンクやロックなんかだと、もう音をこれでもか、これでもか、というほど叩きつけたり、音になにか強いものを感じるのだが、小野リサの世界にそれはない。あくまで興味深く感じた人のみがその深い世界に触れているのだ。

 ロックを聴きなれている僕としては、ロックのギターのコード進行なんかは結構単調だったりするのだが、やはりそのボサノバ特有の展開が楽しくて仕方ない。その展開の目指すゴールはまったりほのぼのなのだが、瞬間瞬間を聞かず全体をつなげて聞こうとするととても激しい(はずなのにそう聞こえないのが不思議)その後ろの音を注意深く聞いていると、気持ちいいところを小野リサが気持ちよく唄ってくる。

 小野リサの声も一本通っている感じがしつつ、どこかぼやけている、抽象的な声質がまたバックバンドとはまる。会場も(大きさも)普通の公民館サイズで、なにかお茶会でも行われているような雰囲気ではあった。そのなかで、味わい深い曲を、僕を含んだお客は 存分に楽しめたのではないだろうか。

 メロディックなロックに恋焦がれている人たちは、思いっきり道を踏み外して、こういう音も聞いてみてはどうかな?と思います。またボサノバもロックに融合できそうな可能性はたっぷりあるし。

Reported by Taku Katayama.


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