Elliott Smith at 新宿リキッドルーム(3rd December 2000)
 

 

Elliot Smith  

 

Elliot Smith  

 

Elliot Smith  


 待ち望んでいたelliottのアコースティック・ライブ。開演が結構押したが、やっと、登場!elliott smith!

 次々と展開されるマイナーコードチェンジ。マイナーコードの中でも複雑な音ばかりをやさしく辿っていくのは、まるでこころの繊細な部分をひとつひとつくすぐってくれるよう。だから、彼のうたはこんなにもつらく切なく、そしてはかなくこころの奥まで響いてくるのだろう。マイナーフレーズの高音になると、更にこころに痛くせつなく響くのだ。

 真っ暗な空間の中にわずかなライトが照らし出す。そこに広がるのは、アコギを奏でるelliott smith。飾りっ気のない剥き出しの弱さがそこには感じられた。  思い入れが強いからか、彼は、特に『XO』からの曲なんかは、曲を始めると、“あぁ、駄目だ、できないよ”ってな感じで曲を中断してしまう。その度に、あぁ!というもどかしさに襲われ、そのまま別の曲に移ってしまったりすると、すーごく残念でならなかった。

 何の曲にしようか…何の曲か…会場に曲のオファーをする。すると、会場もどんどん曲名を投げかける。客に様々な反応を求める。それも、ちょっと恥ずかしそうに。とっても困った表情で、時には客に“your story”を求め、マイクを手放し、会場に渡してしまう。それに応えた一人は、“今日からelliott smithの1週間が始まります”と言っていた。彼女は、これから彼の全公演をまわるんだそう。

 リクエストでは、カヴァーソングもやってくれた。その中でも、john lennonの『jealous guy』は格別だった。“I was dreaming …”なんてきた日には、感激!ちょっと下手な口笛も、凄く嬉しかったのだった。

 そして、『waltz #2 (XO)』。この曲を待ち望んでいた人達は多かったことだろう。ピアノがなくアコギだけということは、やっぱりちょっと物足りなく感じられた。しかし、その分アコギと声のみに表現される剥き出しの感情が直に伝わってくることが、また素晴らしかった。でも、どこか、生き急いでいるというか、伸ばすべきところを伸ばしきらなかったり、感情を入れきってなかったりとか、そういうところが、期待にそぐわなかったためか、残念だった。

 そういういろんな思いがあって、このライブのあとは、非常に複雑で、妙な気分に襲 われた。会場の客と一体になった凄くいい雰囲気も好きだったし、LIQUIDで音は凄く良かったし、彼の演奏も、全体でも素晴らしかったが、特に曲々で素晴らしいものがいっぱいあった。

 しかし、終わった直後は、満腹ではなかった。もっと聴きたい。こころにぐぐっとくる、そんな曲が、まだまだ物足りなかった。それは、今まで私自身、彼の曲による動かされ方が半端じゃなかったからだろう。だから、次も来たい。一度じゃ、今回だけじゃ満足できない。


Reported by utsuutsu
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