百怪の行列
@ 武蔵野美術大学学園祭 野外ステージ (29th Oct. '00)


 大学生当時、自分は学園祭と無縁であった。サークルに属してないので別に学園祭でやることもなかったし、講義がないのをいいことに、自動車教習所やらバイトやら鎌倉の海を見に行ったりと忙しかったのである。というわけで、自分の大学の学園祭には一歩も足を踏み入れたことがない。ところが、イベントで知り合った人が学園祭でDJイベントをするというので、生まれて初めて大学の学園祭というものに行ってみることにした。

 武蔵野美術大学は西武多摩湖線だか国分寺線だかの鷹の台から歩いて20分くらい。小雨の降るキャンバスに到着したのが16時頃でもう暗くなっている頃であった。初めて足を踏み入れる大学なんで右も左も分からずいろいろ歩いていると、自分の作品を売るフリマあり、ファッションショーありと、なるほど美術大学らしい雰囲気の学園祭の光景であった。学園祭の定番とされるたこ焼き、焼きそばなどの屋台も多い。それと、教室や仮設の小屋でバンド演奏をしたり、DJしたりする人が実に多いということに感心した。最近の学園祭ってやはりDJイベントって多いのだろうか?野外ステージでは雨にもかかわらずバンドが演奏していて、スイングジャズのバンドが結構上手くて(特に女の子のヴォーカルがとても上手い)感心した、って感心してばかりだな。

 知人のDJイベントは新宿のクラブでレギュラーイベントを行なっていて、DJ技術も上手くて、そのせいかお客さんも結構多く盛り上がっていた。しばらくして小腹が空いたのでたこ焼きでも買いに行こうと会場を出て野外ステージの前を通ったときに珍妙なバンドが演奏を始めた。

 「百怪の行列」と名乗るそのグループはメンバー全員が陸軍軍人の正装のようなコスプレで、ヴォーカルが坊主頭でサングラスをかけているなんだか大川興業というか鳥肌実というかそういう雰囲気の人である。それを3人のホーンセクション(女性含む)、キーボード&アコーディオン(多分女性)、ギター(ジミー・ペイジが持っていたようなダブルネックギターである)、ベース、ドラムス、大太鼓&マーチングバスドラ(大槻ケンジ風メイク)という総勢9名のメンバーが繰り出すのは昭和歌謡スカコア、という言うべき笑うしかないような音であった。雨にもかかわらず、ステージには大勢の人が詰め掛け、激しい演奏にあわせてステージに上がってダイヴをする者が多数。オショウと名乗るヴォーカルは「ムサビ、ムサビ、ムササビ」というどうしようもないギャグや「オメーら、美術学んでいる学生か?バーカ、バーカ、バーーーカ!」という悪意を放射するMCを連発。演奏中におみくじをばら撒き、演奏を止めてその中のひとつを取り上げて「このおみくじは小凶、中凶、大凶、最凶しかありません。小吉とかはありません。(おみくじを開いて)えー中凶ですね。120歳まで生きます。虎舞竜『ロード第1000章、何でもないようなとこが、しわくちゃになったと思う』」とか、Hitomiの「LOVE2000」の替え歌で「愛はぁーどこから来るのでしょぉー、そーんなーこーとーは知るかいな!」と歌ったりする。こうして文字にするとどうしようもない寒いギャグだったりするのだけど、ライヴの時には大ウケである。歌詞の内容も戦前の歌謡曲みたいな感じだったり、ナンセンスなものだったりする。演奏は基本的に上手くて、時にハードロック的な重厚さを感じたりするし、普通のスカコアとしても楽しめる。というか、いい年した大人がこんな下らないことに命かけているのが結局のところ大好きなのだ、おれは。真剣に社会問題に取り組んでいるバンドも当然好きなんだけども、その一方でこういうしょうもないバンドもあっていいと思う。やはりいろんなものがあってこそ、風通しのいい世の中(って言うと大げさだけれど)になるのだと思う。デスマーチ艦隊というバンドがこの「百怪の行列」の母体になっている、と書けば知っている人も少しは居るんじゃないだろうか。おれは知らなかったけど。

 さて、このバンドの演奏が終わってDJイベントの会場に戻るとちょうどキンクスの「オールデイ・アンド・オール・オブ・ザ・ナイト」で盛り上がりのうちに終了したところであった。知人には申し訳ないことをした。だけども、あのようなバンドに出会えたきっかけになったわけで感謝である。
report by nob
==>top page : JPN / ENG

The official site

百怪の行列(浅草ジンタ)

http://www.hyakke.com/

check the albums?

search:
Amazon.co.jpアソシエイト
nob's works-->2001

button2000

button生ギター1本、生身のエリオット・スミス : Elliott Smith (4th Dec @ Shinjuku Liquidroom)
buttonFUUDOBRAIN : feat. Thee Michelle Gun Elephant, KEMURI, Mad3 and more (23ed Nov @ Zepp Tokyo)
buttonインターネット使い方について : (21st Nov @ Makuhari Messe)
button百怪の行列 : (29th Oct @ Musashino Bijutsu Daigaku)
buttoneastern youth : (28th Oct @ Shibuya Quattro)
buttonJ・マスシス : (19th Oct @ HMV Shibuya)
buttonKing Crimson : (5th Oct @ Shibuya Kokaido)
button Asian Dub Foundation & Audio Active : (3rd Oct @ Akasaka Blitz)
buttonタイ・フード・フェスティバル2000 : (1st Oct @ Yoyogi Park)
buttonROVO : (1st Sept @ Hosei Daigaku Gakusei Kaikan)
button東京阿波踊り : (27th Aug in Koenji)
buttonSUMMER SONIC 2000 : (5th to 6th Aug)
buttoneastern youth : (5th Jul @ Akasaka Blitz)
buttonThee Michell Gun Elephant : (29th Jun @ Zepp Tokyo)
buttonAny Given Sunday : movie review (23rd Jun.)



無断転載を禁じます。The copyright of the article belongs to Nobuyuki "nob" Ikeda. They may not be reproduced in any form whatsoever.
==>Back To The Top Page : JPN / ENG.