イースタンユース at 赤坂ブリッツ(2000年7月5日)
 

Eastern Youth  

Eastern Youth  

*写真は2000年2月18日の新宿リキッドでの模様です。


静けさに酔う宴

 『静』と『動』。この日のライブはその二言に尽きる。吉野のMCから始まり、会場は温かい空気に包まれるが、曲が始まる瞬間、ふいに静寂が訪れる。吉野と、それを見守る人々の息を吸い込む音が聞こえてきそうなほどの静けさ。その後にやってきた音の嵐に、会場のテンションは一気に跳ね上がる。自分の魂を己の楽器に叩き付けるように弾く姿。彼らの音が、時に熱く、時に冷たく吹きつけてくる。彼らの詩から、彼らの音から感じたのは、自分の中の葛藤や迷い、そういった答えのない物に何かを見出そうとする力だ。探しては迷い、それでも探し続けることをやめない力。それらは言葉に出すには照れ臭く、また言葉では表わしにくい感情だ。きっと、彼らはそれをストレ−トに表現出来るバンドだろう。

 eastern youthの歌は言葉が美しい。日本人として、日本語の魅力を最大限に引き出している。言葉が命を持ち、語りかけてくる。newシングル『静寂が燃える』も、言葉が非常に力を持っている。今までに増して、彼らの叫びが強く感じられるシングルであり、日本の叙情すら漂わせていた。この日のライブでももちろん披露されたが、吉野は何と静かに激しく歌うのだろう。静けさの中に潜む何かを睨むがごとく歌う姿は、泣いているかのようだった。そして、オーディエンスもまた泣いているようだった。共にeastern youthの歌を歌い、あるいはつぶやき、音と一つになる。ここにいる人々も戦っているのだ、心の中の静寂と。そう思えた。

 ツアータイトルに、「この静けさに耐えかねて嗚咽を漏らしているのは誰だ」と掲げられたこのライブ。それはeastern youth自身であり、会場に訪れた人々であり、そして間違いなく自分自身だった。そんな、同じものを抱える仲間たちが集まった夜だった。


Reported by 宮下恵
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