eastern youth @ Akasaka Blitz (5th Jul. '00)
*写真は2000年2月18日の新宿リキッドでの模様です。
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メンバーが登場し、吉野寿の「笑点のオープニングのような」季節ネタを絡めた長
いMCのあと、繰り出されるパンキッシュな曲に早くもダイバーたちが飛びまくるライ
ヴとなった。そういえば、メンバーがステージに現れたときに、筆者の後ろにいた女
の子が「かっこいい〜」と言ったので思わず振り返ってしまったのだけど、イースタ
ンユースの3人には不思議なマジックがある。彼らは目鼻立ちが整っているとか長身で
あるとかそういうことは全くない。フロントマンの吉野は丸坊主に黒ブチ眼鏡の30代
男で、電車に乗り合わせたら目が行ってしまうほどのインパクトはある。だけども格
好いいと思わせるものがある。何故?
イースタンユースはパンクの中に日本的な詩情を定着させたバンドである。輸入文
化であるパンクロックを日本人の血肉として成熟した姿を見出すことが出来る。パン
クに影響されたバンドは通常、叙情を否定したり、避けたりするのだけど、彼らは自ら
進んで叙情を取り込もうとしている。だけども、そこにベタベタした気持ち悪さがな
いのは、常に自分の足で立っていこうという姿勢が見えるからで、決して誰かに頼る
ということがないからである。例えば「君」の気持ちに左右されるとか、「君」なし
では生きていけない、という意味での「君」が一切登場しない(筆者の知る限りで
す。あったらスイマセン)のである。それはいわゆるヴィジュアル系と呼ばれるバン
ド(決して悪いバンドばかりではないけれども)の歌詞に見られる空疎な甘ったるさ
と対比させれば分かる。
話はちょっとそれるけれども、この前投稿したミッシェルガン・エレファントのライ
ヴレポートにも書いたように日本的な叙情に対してさまざまな態度をとるバンドが
あってそれぞれの試みが上手くいき、支持されているのを見ていると、今の日本の
ロックシーンは層が厚くて面白いなぁと思うわけです。
さて、ライヴはアルバム『旅路二季節ガ燃エ落チル』と『雲射抜ケ声』を中心に演
奏された。疾走感あふれる曲で激しくギターをかき鳴らし、文字通り身を振り絞って歌
う吉野は、MCになると大学の落語研究会の新入生みたいな柔らかい語り口で延々と話
すというギャップが面白い。 吉野はMCでちょっと意地悪く「ゆっくりとやらせても
らうよ、いつもモッシュ・アンド・ダイブばかりのライヴじゃあねぇ」みたいなこと
を言っていたけど、実際演奏が始まると大抵の曲でダイバーが発生した。「雨曝しな
ら濡れるがいいさ」で別々のところをサーフしていたダイバー二人が抱き合って一回
転し、また分かれて別の所に落ちるというのを目撃したとき、素晴らしいと思ってし
まった。ライヴのハイライトは「夏の日の午後」とアンコールのラストの「青すぎる
空」であった。どちらも侘しいという感情をラウドなギターと鉄壁なベース&ドラム
に支えられた轟音ナンバーである。この男気溢れる曲を聴いていると彼らの格好良さ
というのは、彼らがこうして大勢の観客の前で演奏するに至った歩み、それ自体がそ
う思わせるのである。自分を信じてここまで来たイースタンユースの姿に多くの人が
いろんな力を受け取ることだろう。
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report by nob and photos by hanasan
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