Beck at Budokan in Tokyo(2000年5月29日)
 べックのライブは、一昨年のフジロック以来である。今でもべックを聴いていると、あの時は、楽しかった!と、物思いに深けてしまう。そんなべックが久々に見れると、わくわくしていた。まるで、遠足の時みたいである。そして、その遠足が始まった。

 ギターとブルースハーブをかけて登場のベック。渋いはじまりにちょっと驚いた。勝手な先入観なのかもしれないが、なんかベックのイメージとして、ずっとハイテンションな感じがしてならなかった。子供の時そういう奴いませんでした? 常にハイなクラスメート、そんなイメージが僕の中にあった。そんな静かなはじまりから、「ルーザー」でギアチェンジする。が、音が割れる!武道館みたいな大きなホール特有の音響の悪さで、なんかフジの時のすごさがない。特に微妙な音のバランスで成り立っているベックみたいな人の音楽は、音響の善し悪しに影響され易い。

 なんか不完全燃焼だなと思ったら、べックは、そんな悪条件などモノともしなかった。いきなりベットが降りて来たり、ふつうのT-シャツ姿から衣装替え! ハデハデ衣装になってくる! モーやりたい放題。あとで気付いたけど、ベットが吊るしてあるって、かなり危険だと思うんですけど・・・。そんな危険を顧みず、エンターテイメントを 追求するベック。やっぱ4階からベットを落としたりしていたおじいちゃんの血かな。

 そして、怒濤のように後半に行く!「WHERE IT'S AT」「SEX LAWS」と絶好調に盛り上がる! ここら辺になると、例のインチキブレイクダンスが絶好調!相変わらず股割り(?)ダンスは、ぎこちない。

 そして、間髪入れずにアンコール! 最後はやっぱり「DEVIL'S HEARCUT」で締め! さらに、すごいのはバンド全員が、衣装替え! 特にベックの衣装は最高だった。あの寅吉の土方ファッションである! 御丁寧にタオルまで頭に巻いて、ヘルメット被ってる。あんた、どこで仕入れたのよ?そして、最後には立ち入り禁止のテープを貼って、終了! 大爆笑でした。

 そして気付いたのは、べックはやっぱりベックだったということ。エンターティナーであり、アーティストであり、シンガーなのだ。彼じゃなきゃ、ブルースとファンクとロックとボサノヴァを平行に扱えないし、歌えないのだ。彼は20世紀と21世紀を繋ぐポップの象徴のような気がする。だから、あれだけイロモノ的にやっても、全然くどさを感じないんだと思う。それは、べックにだけ許された特権だと僕は思う。そして、さらに進化し続け、普通の顔して、とんでもない作品を作る気がする。そういう特殊な才能の持ち主だと思う。

Reported by 田伏庸朗.


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