NEUROSIS at 心斎橋クアトロ in Osaka(2000年4月8日)

 4月8日、大阪は心斎橋のクラブクアトロでNEUROSISのライヴがあった。一体この大阪でどのくらいの人がNEUROSISを知っているんだろう、と一抹の不安を抱えながら(因に僕のチケットの整理番号は15だった。何という若い数字)、会場に向かう。

 会場に着きステージ前のフロアに座り込む。うーん、案の定、人の入りが悪い。と、ふとわきを見ると、開演前にもかかわらず何とNEUROSISのメンバーがフロアをウロウロしている。僕の目の前でメンバーが誰かとしゃべっている! アットホームというか、とにかく今まで感じたことのない不思議な雰囲気が会場を包み込む。最終的には7割りほどの客の入りでサポートアクトのCORRUPTED、ZENIGEVAが熱演を繰り広げる。と、僕の横でカメラのフラッシュが何度も光る。「誰や」と思って見ると、インスタントカメラを片手にNEUROSISのメンバーが上記2バンドの姿を写真に収めているではないか。僕のすぐ横でやゾ! そういえば、以前雑誌でNEUROSISのメンバーが、日本のバンドで好きなのはZENIGEVAと発言していた。初来日の彼らとしては、日本のバンドを初めて生で見れるチャ ンスというわけだ。あのー、次は君らの番なんですけど。

 そしてついにNEUROSISが登場。全員でパーカッションをひたむきに叩く。始めは弱く軽く、徐々に力強く荒々しくなる。それは時に和太鼓を思わせ、我々日本人の魂を鼓舞するには十分だ。さらに、その音は脈々と打ち続ける心臓の鼓動のようでもあり、彼らの内面から吹き出す血液をぶちまけるかのような凄じさがある。その後、メンバーはスティックから自分の担当の楽器に持ち替え、レコードで聴けるあの深く内面に沈み込むような重く暗く陰鬱な世界を描き出す。その音に加え、ステージの後ろにはスクリーンが設けられ、そこに幾何学模様の映像が映し出されそれらがいくつも重なり回転する。すると、それに呼応するかのように僕の頭の中でもカオスがグルグルと渦巻き、覚醒しながらもどこまでも落ちていく風景を眺めているかのような、夢の世界に導かれていく。どのジャンルにも属さない独創的な音楽故、我々客の方もどういう反応をすればよいのか正直分からない。ただ、はっきりしていることは、彼らが偽りのない丸裸の自分自身をさらけ出しているということだ。だから、僕も自分を偽るわけにはいかない。僕は、感じたままを受け止 め自分の内面から込み上げてくるものに身を任せた。

 客の入りは悪かったかも知れない。でも、全てを見終わってから、本当に見たいやつだけが見ればいいとさえ思えたし、あの場所で彼らと同じ時間を共有できたやつらは、その光景を一生忘れることはないだろう。

Reported by 吉田健一郎.


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