PURESSENCE
〜 The Band Coming From Heaven 〜
あなたはPURESSENCEというバンドを知っているだろうか? あの素晴らしい歌声を持ったバンドを…

 私が初めて彼らの曲を聞いたのは、イギリス留学中にふらっと立ち寄ったCD店での試聴コーナーである。ジャケットのセンスの良さとマニ(元ストーンローゼズ)が一曲プロデュースしているということもあり、なんとなく試聴をしてみたのだ。1曲目「Sharpen up your knives」から2曲目の「This Feeling」の流れ込むような美しいサウンドに私は即座に彼らのとりこになってしまった。特に、2曲目の「This Feeling」。アコースティック・ギターで始まるこの曲は、まるで聴く者をそよ風が吹いた草原の真ん中にいるような気分にさせる曲である。もしくは海岸沿いのドライブ。・・・・・・そう、まるで自分の体が浄化されていくような感じである。私はその場ですぐそのCDを買い、足早に家へ帰った。

 マンチェスター出身のジェームス(Vo),ニール(G), トニー(Dr),ケビン(Bass)が出会ったのは、かの有名なストーン・ローゼズのスパイクアイランドのギグである。そこで彼らは意気投合し、バンドを始めることとなる。そして96年、ISLANDと契約を交わし、LP「PURESSENCE」でデビューを果たした。当時は、「 重要なバンドが現れた・・・・彼らの自己分析が緊迫感あふれるものだから、君は頭の上に嵐雲が集まってくるような気分を味わうだろう。(Melody Maker)」「レディオヘッドの"THE BENDS"以来の心に染みる美しいアルバムである。(The Telegraph)」と絶賛されていた。しかし、ある程度の成功は収めたものの、彼らを地球の反対側まで届かせるには、まだ時間が必要だった。

 そして98年、彼らの2ND LP「Only Forever」で彼らの本領が発揮されるのである。シングル「This Feeling」がヒットし、アルバムもイギリスで長期間チャートに残る結果となった。そしてここ日本にも、遅れながら彼らの音がすこしずつ届けられてきたのである。

 彼らのサウンドのポイントは何といってもジェームスのヴォーカル。彼の純粋で透き通るような声が、彼らの楽曲を唯一無二のものにしている。私は正直行ってこんなにきれいな声をだすヴォーカリストに出会ったことがないので初めて聞いたときは体に電気が走ったような思いをしたものだ。そして、楽曲の素晴らしさ。以前、ジェームスが「一番心に残ったギグは、ストーン・ローゼズのスパイクアイランドだ。」と言っていたが、その通り、彼らの楽曲には時折ローゼズの影響を受けたであろうと思われる部分が見られる。しかし彼らはそれを上手く消化しつつ、PURESSENCE風のロックに仕上げている。決して新しくて斬新な音楽ではないが、いい曲を地道に作り続けてくれる、久しぶりに信頼できそうなバンドである。

 彼らは今現在、3RDアルバムのレコーディング中らしい。私は彼らがまた素晴らしい曲を私たちに届けてくれるのを首を長くして待っている。残念なことに、日本での知名度はいまだ低いが、彼らの音を聞いたことがない人は是非聞いて欲しい。90年の終わりにこんないいバンドに出会えたという喜びを一人でも多くの人に味わって欲しいから。次作が本当に待ち遠しい。

Reported by 岡田智子.


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