「ウォ――ン!!」 な、なに?? 「ウォ―――ン!!」 この右手のきつねさんポーズは何? と思っている間に皆が右手をあげ、きつねさんポーズをしている。おっと、わたしもいつの間にやら右手が上がってきつねさんポーズ。 新しいアルバム『ロックンロールエチケット』の中の「ロックンロールエチケット」からライブは始まる。皆が立て揺れを始める。こんなちっちゃいライブハウスなのにのっけからダイヴがはじまる。セイジもステージでジャンプする。もう天井に頭をぶつけそうだ。 右手を高くあげギタ−を弾く、それをサポートするようにベースとドラムがかっちょいいロッケンロールなリズムを刻む。いや−、歌詞なんてちょっと笑ちゃうけど、そんなことは吹き飛ばすほどのライブアクションが素敵だ。 「ワカヤマ ベイベー!!」 なんと語呂がいいんだろう。曲の間に繰り返される。 「ワカヤマ ベイベー」、「イェーイ」。 ハハハ、なんか楽しい。楽しさのあまり口が笑ったままだ。元に戻らない。曲の間に、髪の毛をとかすメンバーに、彼らのロック魂を見た。ロック・ショウと言ってもいいと思った。 ライブも中盤にさしかかり、一人の男の子がステージに招かれた。おぅ、なんとギターが少年に手渡されている!! そして大事に大事に、ゆっくりとピックを彼に手渡すセイジ。何か錯覚でも神々しい感じさえする。選ばれた勇者に剣を・・・。選ばれたロケンローラーにギターを・・・。 「ワン、チュー、スリー、フォー!!」。少年がギターをかき鳴らす。心配なんて何のその少年はギターウルフになった。楽器なんて、演奏なんてどっかに飛んじゃった感じがする。うまいへたなんていう解釈の域を超えていた。ノイズともとれる音の向こうにライブの真の姿が見えた気がした。 ギターウルフというロック・ショウを今日は体感した。そして今日も、音楽は生で聴くのが一番だと、聴くじゃなく感じることが大切だと感じた。最後まで右手を高く上げきつねさんポーズ(ウルフポーズ)で盛り上がった。40分間のライブを、1時間以上のもに感じさせてくれたギターウルフにサンキューと言いたい。 サンキュー、ギターウルフ。 Reported by コイケ チカ. |