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このところ寝不足気味だった私は、少し頭がぼうっとしていたが、そんなものは本物のバーナードが登場して、みんなで跳ねればすぐにスッキリ!…のはずだった。が、会場に駆け込んだ瞬間、あぜんとしてしまった。チケットには確かに「スタンディング」と明記されているのに、いつもは何もないフロア一面に椅子席が設けられていたのだ。 あれっ?会場間違えた? いや、ちゃんと入口でチケットを見せて入ったぞ。ということは、急遽こうなったんだ。でも何で? アンプラグドだから? 混乱する頭の中は?マークだらけ。とにかく席を見つけて座ってみると、「ショック!何で椅子なのよぉ!」「何でこんな会場にしたん?」。といろんな声が聞こえてきた。みんなもわけがわからず座っているのだ。 あれこれ思ううちに暗転。TIGHTEN UP に乗ってメンバー登場、と同時にみな立ち上がり、椅子を越えて前方を目指す。私もいったんは前に出たものの、ガードの兄さんに席へ戻れと強引に押し戻される。もみあううちにFRIENDS & LOVERS がスタート。ああ、なんてサエないオープニング。ステージを見れば、サングラスをしたまま、まるでへヴィ・メタ少年みたいにギターを掻きむしる黒シャツの男が。あれ?バーナードなの? 何だか実感がわかない。YOU MUST GO ON、COCOONと1曲ごとにギターを持ち替えて弾きまくり、5曲目のCHANGE OF HEARTあたりでようやくサングラスをはずして、いつもの笑顔を見せてくれた。「椅子席ショック」からなかなか立ち直れなかった私も、ようやくバーナードのステージを見ているという気になってくる。 気分はどう?と客から声がかかると、「疲れてる。イギリスを離れてからあんまり寝てないんだ」と本音をもらしていたバーナード。自分のぼうっとする頭にダブらせて、彼もこんな感じかしら?とヘンに喜びつつも、あの独特の甘さの声も、今日はつらそうだなあと思う。見ている側も椅子席に縛られているせいか、初来日の、あのクアトロ全体を包んで揺れた暖かい空気と比べてしまうせいか、どうも盛り上がりに欠ける気がしてしかたがない。その冷えびえとした空気を、きっと彼も感じとっていたはずだ。最後に「みんな、これはきっと好きだよ」とやってくれたのは、NOT ALONE。そうだよ、元気な時も疲れてる時も、楽しい時もそうじゃない時も、一人じゃない。みんなで超えていくんだね。 そう思った後のアンコールは、バーナード一人がアコースティック・ギターを抱えて登場。とりわけWOMAN I KNOWは、それまでの不満を一気に洗い流してくれるようなすがすがしさが心にしみた。そしてラストのSTAYまで。決してよい出来とは言えなかったけれど、むしろこんな時こそ、彼の誠実さや、自分がどのぐらい好きかなど、ふだんノリに埋もれて見えない部分がわかるのだ。ねえ、バーナード。ツアーが終わったらゆっくり休んでね。この次はまた盛り上がろうよ!
Reported by 小谷育代. |