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「ロック界随一の筋肉集団を始めてこの目で見れるんだ!」 来日来日と騒がれて心が高揚していたところで当日券を手に入れた。 武道館。大きいかもしれないが、かれらには小さすぎるだろう... 心配していたどころ、彼らが登場して案の定、ステージに収まりきる事の無いエネルギーが客席を圧巻した。アンソニーが、フリーが、チャドが、そしてあのジョンが!そこにいる。其れだけで、みんな胸いっぱいだ。そんな感極まる中、空気を乱し、切るように「Around The World」が飛ばされる。これしかない!!と、誰もがそう思っていたはずに違いない。アルバムにおいても幕開けをになう曲である。アンソニーの雄叫びに野生を感じながら、そのグルーヴに早くもやられた気がした。聴いている私達までもが、原始的な心の叫びを呼び起こされてしまうんだ。彼の声には。 この日は、武道館というものに相応しい選曲といおうか、新旧の名曲がずらりと演奏された。誰もが、涙したくなる「Scarttissue」、さびで合唱が起こる言うまでもない名曲「Give It Away」、そして「Suck My Kiss」...。こんなのをなげつづけられた会場全体、歓声の渦。そんなポピュラーなエンターテイメントを打ち出しながら、一際目立ったのはジョンのソロ。曲名は解りかねるが、熱くなった鉄を緩やかに冷ますような、ジョンの繊細さの表われの歌。其れは、曲と曲の間を流れるように滑らかに繋げたが、熱の間で、ジョンのソロが美しく引き立ったことは確かである。その事を思ったとき、彼が一度このファミリーから少し自分の殻にこもった理由が、少し解ったような気がした。彼は、レッチリ的要素も,吟遊詩人的要素も持った人なんだ。そして彼はもう一度、熱に交わったのである。今度こそ、このファミリーは同じ力でぶつかり合っている。精神的にもよりマッチョになって。 後半、ジョンの哀愁漂うギターに乗せた「Under The Bridge」。バンドの一体感を感じさせながら歌うアンソニーの声は実に伸びやかだ。きっと、詰まっていた物が流れたからなんだろう。彼らは今最高の状態にいる。こんなにもバラードが、ごまかしの無い安定さを以って織り成されているのだ。もう迷わずレッチリ道を進んで欲しい。私は切にそう願うだけである。
Reported by 吉田美由紀. |