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その日その場所ただ一度きりのライブで、いちげんさんを巻き込んでの祭りをいとも容易く実現させるバンドといえばなんだろうと探ってみれば…見て度肝をぬかれたジプシーパンクス、ゴーゴル・ボーデロだ。
■Gogol Bordello
アイリッシュ+パンクの次にはロマ(ジプシー)+パンクが幌馬車にガタゴト揺られて日本を席巻しそうですよ、と希望的観測を周りに吐いてたツケか、ようやく今になって手応えがキてます。盛り上がりはフロッギング・モリーどころの話ではない、と言い切ったのは3月のSXSW。東欧のジプシー達が移民の街・ニューヨークに流れ着いたことで生まれたゴーゴル・ボーデロ、彼らを遥かテキサスの地で見た日から、コロリと虜になった。最も近いバンドは間違いなくマノ・ネグラであり、政治的なスタンスをはじめとし、"Mala Vida(マラ・ヴィダ)"もアコーディオンとフィドルが引っぱるアレンジでカバーしている。おまけに最近はマノ・ネグラの要であったマヌ・チャオと共にUSツアーをしたそうじゃないかい。きらびやかなんだけれど薄汚れた風貌、白黒映画の洒落たBGMが過激に猥雑にと誇張されたってそんな、一度見たら脳裏にこびりついて離れないゴーゴルは細部に至るまでたくましく、そこで生まれる現象はことごとく五感を刺す。実際、ウクライナの言葉と巻き舌混じりの訛った英語が早口でまくしたてて、歌っているユージーン・ハッツも舌が回らないというズッコケもありつつ、圧倒的テンションで引きずり込むキャバレーやサーカスのようなめまぐるしいショウがフェス含め世界各地で驚きを与えては歓迎されているのだ。日本ではまだ知名度は低いが、クラブシーンではじわじわ熱が伝搬しているとも聞いている。例えば、ズート16は世界の田舎音楽を取り上げる最先鋒だと思っているけど、そのDJであるホテイさんのハマりようは凄まじく、先日の川村カオリと坂田カヨが再び手を組んだハニーホール(10/21@渋谷クラブエイジア)では、ズートのライブ直後に、黒地に黄の文字で殴り書きされたLP(CDは黄色地に黒文字)アルバム『GYPSY PUNKS UNDERDOG WORLD STRIKE(ジプシー・パンクス・アンダードッグ・ワールド・ストライク)』をステージに持込み、サイレン鳴り響く曲"Not A Crime(ノット・ア・クライム)"を投下していく。表情から胸元へと視線を移せば、そこにはオフィシャルTシャツがあって眩しい。会うたびにグッズが増え、子供のような表情でバンドに対する思いを話すなどなど、mag読者にはバンダ・バソッティでおなじみストリートビートフェスティバルにも参加したDJにここまでさせるバンドだ、さらにはネット上では来日させるべく必要経費を計算している人もいて、これはおそらくゴーゴルに対する飢えや中毒を起こしている人が多数いるという表れなのだろう。見たらひっくり返りますよ、このように。
written by taiki
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