より一面的に改まった教育基本法(20th Dec '06)
なぜか腑に落ちない気分だ。内容もさることながら、納得できないのは、その過程だ。合い違える主張や意見、考え方があったとして、その一方の論理を、いつもの政治屋のやり方で、多数決で押し通す…国会の会期末にまるで駆け込むようにして。
タウンミーティングの「やらせ」問題での首相以下各大臣お歴々の、蛙の面に小便を引っかけたような「報酬返納」も、今国会内でなんとか成立させんがためのパフォーマンスに感じるのだ。「教育」は国という以上に、子供一人ひとりの、人間一人ひとりの根幹に関わるとても重要なことなのに。子供は「環境」を選べないのに。
例えば、これで「いじめ」がなくなるのだろうか…?
「いじめ」は、思春期に自己をアイデンティファイしていく過程で、集団とは異質な少数を差別化することで、逆説的に集団に自己のアイデンティティの帰属性を求める行為だ。衝動と言っていいのかもしれない。いじめる側は、自分たちたちとは違う誰かをいじめることで、安心するのだ。よく「いじめなんてなくならい」と半ば諦めたように口にする大人たちがいる。でも、僕はそうは思わない。いじめられっ子のアイデンティティを、集団の権威者(この場合は教師や周囲の大人だが)が、広く積極的に認めてあげれば、そういう空気はおのずと集団に伝播するのだ。
容姿や学力やその他、人とはちょっと違って見られること以外に、彼の彼女の、好きなこと得意なものを見つけ、気づかせ、伸ばしてあげる…その手間と努力を惜しまないことだ。そしてそれこそが、「先に生きる」大人の役目だと思う、学校の先生に限らず。
(自らの「命」を絶つことで、生きていく日々の煩わしさを解決した子たちの、肉親や親しい人たちは、彼らや彼女らに「もしあなたが死んでしまったら、私は胸が張り裂けるくらいに、もう耐えられないくらいに辛い」のだと、生前に伝えていたのだろうか? 血だとか縁故だとかいう以前に、「人のつながり」とは、そういうことなのじゃないんだろうか? そしてどんな人でもその中でしか、「自分」というものは存在しないのじゃないか? 彼らや彼女らはそのことを痛いくらいに実感してきたのだ。だから孤独で、途方もないくらいの疎外感を抱え込んでいたのに…)
だけど、偏差値を計りにして、各々の枠の中に押し込めてしまう今の学校教育が、この改正法で変わるわけじゃない。「あなたの偏差値はこれくらいだから、この枠の中に行きなさい」そう言って3年ごとに機械的に振り分けているだけ。逆に言えば「その枠の中にいさえすれば、とりあえず食いっぱぐれることはないから、無難に過ごしなさい」と言っているのだ。そこには多様性を認め、伸ばす機会を広く与えようとする思想は皆無だ。
(例えば国語の試験で「小説中のこの箇所の主人公の気持を答えなさい」という問題の答えが、〈解答例〉から外れていたら間違い、になるわけだ。本来、読み手の受け取り方なんて千差万別、十人十色あってしかるべきなのに)
フリーターやニートなんて、その枠に納まることになんとなく違和感を感じていることが、主要因なのだと思う。既存の学校教育の枠の中で、本当の自分を見つけられなかった人たち…もちろん、豊かさの恩恵は大前提にあるのだけれど。でも彼らが、昨今の風潮のように100%悪なのだろうか? 経済は、構造的に彼らを都合良く利用してもいる。
とにかく従来の政治の手法・力学で成立したこの改正法が、自分とは違うもの、自分とは違う考え方、自分とは違う他者、自分とは違う文化を、まず尊重し、理解しようと努力する姿勢を育むとは、とうてい思えないのだ。
それとも、そんなことは、これからの未来には必要ないのだろうか? これから「学ぶ」子供たちの小さな両肩に負わすには、あまりにも安直な成立の仕方じゃないのだろうか?
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ken's works
mailto
2006
マウンテンズ・オブ・スピリット : ブリンズリー・フォード (8th Oct. @ 朝霧アリーナ)
「熱」の伝播 : マイケル・フランティ & スピアヘッド (7th Oct. @ 朝霧アリーナ)
CD review : イェル・ファイア! : マイケル・フランティ & スピアヘッド (15th Sept.)
変ハワイもスカも関係ない : ゴー・ジミー・ゴー (17th Apr. @ 鰻谷 燦粋)
変わるもの、変わらないもの : BMXバンディッツ (14th Feb. @ 新世界ブリッジ)
2005
ささやかなる祝祭 : 鬼怒無月 with ゴンザレス三上, Baku Sawada & 松田美緒 : (17th Dec. @ Ten-On Osaka)
テヘラン〜ワルシャワ〜マダガスカル〜そしてアイヌ : Warsaw Village Band, Kilema, OKI, The Tehran Brothers : (08th Oct. @ 鰻谷サンスイ)
感性を原体験にするジャズ : 矢野沙織 (6th May. @ ブルーノート大阪)
Out of This World : shiba in car, Youcan, Kumi (24th Apr. @ jaz'room "nuthings")
この美しさは… : Mozaik, ソウル・フラワー・モノノケ・サミット, 岸田繁(くるり): (05th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
ありやまなお湯だ !! : 有山じゅんじ, ゴーゴー木村 etc. (28th Mar. @ 浪花温泉)
ビッグバンを垣間見る : Ozomatli (16th Mar. @ 心斎橋クラブクアトロ)
語りかけると、彼の音楽がわかります : Tete, cutman-booche (15th Mar. @ 心斎橋クラブクアトロ)
report and photo : 有山じゅんじ (25th Feb. @ 安治川ヒポポタマス)
おんなボーカル歌合戦 feat. FREE FROM DISGUISE, shiba in car, ひでこりべるたんset, WEDNESDAY_EVE : (13th Feb @ Namba Bears)
心象風景のピアノフォルテ / photo report : リクオ (30th Jan @ Juttoku Kyoto)
世代を超えた贅沢な一夜 : ありやまな夜だ!! 新春スペシャル feat. 有山じゅんじ, ムーヤン, saigenji, 高田 漣, TOMOVSKY, リクオ (28th Jan @ 神戸チキンジョージ)
10年分のイャサ、ホォヤ : 『つづら折りの宴』feat. ソウル・フラワー・モノノケ・サミット、山口洋他 (16th Jan @ 長田神社)
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