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バックカタログ
- Part 2 -
逆に、最もブルース寄りに聞こえる作品が『At The Cavern』。リバプールにあるあの有名なキャバーン・クラブでのライブを収めたものだ。ライブでしか味わうことのできない緊張感やグルーブ感を存分に堪能することができる1枚。中でもゲスト・ボーカリストであるハービー・ゴーインズのボーカルは絶品。ボーナス・トラックにはラジオでのセッションが収められており、また、アルバム『Red Hot From Alex』の中でも彼の歌声を聞くことはできるのだが、やはりこのライブ・テイクには敵わない。"Everyday I Have The Blues"は必聴。今回こうしてCD化されたことで、少しでも多くの人の耳に彼らの音が届く機会が増えたことを本当にうれしく思う。
『At The Cavern』のアナログ盤は非常に状態の良いものであれば6万円の値が付いていたこともあった。さすがにそれには手を出せなかったが、中古盤市場で売られているのを目にする機会はそれほど少なくはない。だが、『Sky High』のオリジナルのアナログ盤だけはそう簡単には出会えない。しかしながら、その音源は過去にCD化されており、耳にすること自体は難しいことではなかった。ゲスト・ボーカルとして参加しているダフィー・パワーは過小評価されているアーティストのひとりだろう。過去にもブルース・インコーポレイテッドに参加していたダニー・トンプソン(ベース)とテリー・コックス(ドラムス)によるリズム隊も素晴らしい。
個人的には、初めて聞いた時からお気に入りだった1曲が"Wednesday Night Prayer Meeting"。チャールス・ミンガスのカバーである。以前にもミンガスの曲をカバーしていたアレクシス。実際にこの二人は親交があったそうである。ジャズの世界にそのルーツであるブルースの要素を持ち込んだミンガスと、ブルースの世界にジャズの要素を持ち込んだアレクシス。音楽を作るということにおいてジャンル云々などという形式的なことは関係ないのだということは両者の演奏する"Wednesday Night Prayer Meeting"を聞いてみればよく分かるのではないだろうか。
ブルース・インコーポレイテッドでの活動に終止符を打った後、ソロ名義で発表した2作目のアルバムが『A New Generation Of Blues』。アルバム・スリーブを手がけたのはヒプノシス。このアルバムの発売の方がピンク・フロイドのデビュー・アルバムより早くなってしまったため、結果として彼らのデビュー作品となったそうだ。数年前、ヒプノシスのメンバーだったストーム・ソーガソンにこのアナログ盤を見せたところ、数十年振りに目にしたらしく非常に驚いていた姿が印象的だった。
アルバムの内容はというと、至ってシンプル。ゲスト・ボーカルはおらず、アレクシスの弾き語りが中心。そこにフルートとベース、またはサックスとベースとドラムが微かに聞こえる程度に加えられている。
地味ながらも、まさに「聴かせる」アルバムとなっている。
ひとつのジャンルにこだわることなく幅広い音楽を取り入れていったアレクシスが次に興味を持ったもの、それがゴスペルやソウルといった音楽であった。自分の娘であるサフォーやデンマーク人アーティスト、ピーター・ソラップら若手のミュージシャンと共に始めたニュー・チャーチというバンド、そのお披露目となったのはザ・ローリング・ストーンズの『ハイド・パーク・コンサート』であった。ストーンズを離れたブライアンがまず一緒にバンドを組みたかった相手、それがアレクシスだったというのはよく知られた話なのではないだろうか。
ヨーロッパ、とりわけドイツでよくライブ活動をしていたことから、その当時のライブ音源も収められているこの『Both Sides』というアルバム、今年初めに亡くなったサフォーさんへ捧げるものとして今回初CD化されたものではあるが、カーティス・メイフィールドのカバー"Mighty Mighty Spade And Whitey"は聞きごたえ充分であるし、即興たっぷりで1曲8分や11分といったライブ演奏はその時間の長さを感じさせることはないくらいだ。
こうして久しぶりに改めて聞き返してみると、見事なくらいどのアルバムも1枚ずつ趣が違っていて、でもとても彼らしい共通した想いのようなものを感じることができた。しかし、残念ながら、正直なところ、その当時も、そして現在も、決してヒットするタイプの作品ではないと思う。
それでもやはり残していく価値のあるものだ、と信じているのはほんの一握りの人たちくらいのものなのだろうか。
written by miyo
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2006
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2005
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