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The Early Years

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 インターネットの普及により、あらゆる分野で新たな「カタチ」が生まれている昨今、バンドがブレークするという点においても「Arctic Monkeysはミュージック・ビジネスを変えたか?」ということが真剣に議論されたりするなど音楽を取り巻く環境も劇的に変化しつつあるように思える。

 アメリカのヒット音楽中心で育ってしまったせいか、いわゆる「UK好き」というコトバにどこか偏見が感じられると思い込んでいる節があるし、自分のアンテナに引っかかったものはジャンルやどこの音かなどは気にしていないつもりではあるが、ここ数年、英国の音楽を聞くようになっておもしろかったと思ったのは事実。それはストーンズが結成された頃の時代の空気に対する憧れや、それ以後も脈々と続く音楽シーンのなかで、何がどう違うから「商業主義だけでない部分」が残されていき受け継がれていくのかということに興味があるからかもしれない。ラジオ、大手からファンジンまで雑誌(今ではウェブも)メディア、インディーといわれるレーベル、英国各地の重要なvenueなど、私には到底分かるはずもないような様々なことが絡み合っているのだろう。

 何かが育つ、何かを育てる「環境」が今でもそこにはあるのだと思う。残念ながら、それが何であるかを理解するに足りるだけの知識を持ち合わせていない。

 例えば、写真。小さな会場ではほとんどの場合、ライブ写真の撮影に制限はないらしく(本当はあるのかも)、フォトピットのない会場では素人の私から見ると、立派なカメラを持った人はみんな何がしかのメディアの人に見えてしまう。趣味だが本格的に撮っている人からプロを目指している人まで様々なのだろう。写真撮影は許可無くしてはダメなことだと分かっているにも関わらず、いつの間にか周りのファン達につられて「素人」写真を撮ってしまっていた。勝手にオンラインに載せてしまうことに抵抗を感じたものの、メディアの人間ではないので「日本のどこそこのメディアです」と言ってアーティストに許可を求める訳にもいかず(そんな英語力も勇気もないし)、それでもダメもとで、venueにメールで尋ねてみた。

 するとこんな返事が。

 "The venue's house rule is that all photography in the place is fair game and we want to encourage all areas of the arts as much as we can."

 カ、カッコイイ〜。こういった人達がシーンを育てていくんだろうな。いい写真家さんたちもこういったところで腕を磨いていったのだろうか。少しだけ「環境」を実感した瞬間だった。

 ラジオもまた、そういった「環境」の一端を担うものだと思うことがよくある。

 初めていわゆる「洋楽」を聴き始めたのは高校受験ためにテスト勉強をしていた頃。今思うと、あの時が一番マジメに勉強していた時期だった。何せ「偏差値がすべて」な世の中。自分の身は自分で守らないと。それにも関わらず、ラジオにハマっていた時期でもある。テレビと違いラジオだと試験勉強という名の「作業」とほぼ同時進行が可能(いわゆる「ながら」勉強)。あの当時はアメリカの「トップ40」を紹介する番組をよく聞いていた。DJはアメリカ人でもちろん英語。内容はもちろん、曲名やアーティスト名すら聞き取れるはずもなく、番組の途中に日本語で簡単に「おさらい」をしてくれていたのが唯一の救いだった。すべてが初めてで夢中になっていただけなのだろうが、3、4年経つとチャートの集計方法などが変化し番組も終了。新しくチャートに入ってくる曲を聞くのが毎週の楽しみだったんだが。

 あれから随分と時は過ぎても、いまだ英語など話せるはずもなく、それでもどういう訳だか3年ほど前からインターネットでラジオを聞くようになり、あの頃と同じ「ラジオを聞くオモシロさ」を再び味わった。今回は英国。今まで聞いていたもの(おそらく全てアメリカ式)と全く異なるシステムというか環境というか、そういうものに興味を覚えたのかもしれない。

 その中でも最も驚いたのが「デモをかける」ということ。米国の本場の番組をずっと聞いていた訳ではないので比較することはできないが、少なくともここで聞ける番組の中では国内外問わずそういうものは聞いたことがなかった。

 曲をかけるとアーティスト名はもちろん、必ずレーベル名も紹介するDJスタイルがとても新鮮に思えた。デモ・テープにはレーベル名はなく、それらは「ホワイト・レーベル」と呼ばれるのだと気付いたのは随分と経ってからだったが。今はほとんどCD-Rなのだろうが、以前はカセット・テープだったり、はたまたアナログ盤だったりしたのだろうか。

 バンドとしても成功のキッカケを掴むために、いろいろなところにデモを送るのだろうが、当然、結果は数に比例するものではなく内容によるのだろう。それと、やはり「運」も多少は必要か。

 RazorlightやBloc Partyのようにデモ音源がラジオから流れてくるのを聞いていたバンドが、どんどんビッグになっていくのを見ているのは楽しいし、逆に全くヒットに恵まれないバンドもいたりして、この頃はついついデモが流れるときには注目してしまう。なかにはデモを送ってもあまり相手にされず、だが、しっかりと他の方法で成功の足がかりを掴むアーティストもいるので、「デモの行方」で成功が決まるわけではないのは周知の事実。それでも山のようなデモの中から「かける価値のあるもの」として選ばれたものを聞くのだし、それはそれでおもしろい。

 今春、英国にライブを見に行っていた際、デモ音源で"All Ones And Zeros"という曲がラジオから流れてきたのを聞いた。個人的に非常にツボにハマるものだったので、その時は曲名を聞き取れなかったものの、とりあえずバンド名だけをそこら辺りにあった紙に慌ててメモしたのを覚えている。

 バンド名はThe Early Years。音を聞いただけだったので、何人組だとか、どこの出身か等、全く情報はなく、ようやくオフィシャル・サイトを見つけることができたのは初夏。その頃バンドはMaida Vale Studio(BBC)やXFMでセッションを収録する機会を得ており、前者の音源(これが素晴らしい!)は今ではまだオフィシャル・サイトからダウンロードすることが可能。ライブの模様も同じくダウンロード可能になっているのが興味深い(というか、ありがたい)。この映像を見て初めてギターが2人(1人は兼ボーカル)とドラムが1人のベース・レスな3人組だと知った。インストゥルメンタルな曲だけでなくボーカルの入る曲もあり、それがまたツボものだった。某世界的にヒットしたUKバンドのクリス・なんとかよりもずっと上手いと思うのだが。

 そして先日訪れたマンチェスターのレコード屋で元Kraftwerkのメンバーが結成したというNeu!というバンドの2枚のアナログ盤がかなり目立ってディスプレイされていたのを見つけてCD盤を購入。この『Neu!2』というアルバムはThe Early Yearsが影響を受けた1枚としてサイトにリンクを載せていたもの。確かに、聞いた瞬間彼らが「Neu!に対するオマージュとしての曲を書いた」とどこかのインタビューに答えていたのが納得できた。実験的というかノイズというか、おもしろい音がいろいろと詰まったアルバムだったが、これはあくまでも彼らが受けた影響のなかのひとつだと思われる。

 残念ながら、まだ実際にライブを見たことがない。つい先日もあるクラブ・イベントの一環としてロンドンでライブを行っていたのだが、あいにく都合がつかず悔しい思いをした。7月に彼らのライブを見たという人に話を聞くことができたのだが、パフォーマンスは「良かった」そうで、「非常にpromisingな、いいバンドだよ」と言っていた。なぜか「ドラマーがロックンロールのドラマーというよりはグラフィック・デザイナーみたいに見えた」とも。でも日頃から相当な数のライブを見ている人物の言葉なので参考にしよう。

 つい先ごろ(10月上旬)Beggars Banquetと契約を果たし、"All Ones And Zeros"がデビュー・シングルとして年明けに発売されることになっている。11月上旬のNME誌に間接的ではあるものの注目のバンドのひとつとして取り上げられもした。正直、「万人ウケ」するタイプの音ではないかもしれないが、今後がとても楽しみなバンドである。

 しかしながら、現在、メンバー3人とも昼は音楽以外の仕事を持っているそうだ。今回、幸運なことにギター担当のRogerに短い時間だが話を聞くことができた。とは言っても、英語で会話ができるレベルではなく、インタビューのスキルなど全く持ち合わせていない自分には情けないことに何をどう質問してよいのやらさっぱり。ロンドンのお薦めレコ屋街を教えてもらったり、彼のお兄さんがAnd Weatherallと共にフジロックに来たことがあることや、ギターを始めたのは13歳くらいの時だとか、どこで自分たちの音を聞いたのかとか、ロンドンで好きなvenueはどこか(やっぱりBrixton Academy)等、ただの音楽好き同士のパブでのやりとりになってしまった。The Warlocksがお気に入りで、やはりMogwaiも好きだそうだ。ライブの前日で新しい機材を試してリハーサルする前の貴重な時間を割いてもらったにも関わらず、きちんとしたカタチにできないのは彼らに対して本当に申し訳なく思う。

 最後に聞いてみた。

 「デモはどこにどれくらい送ったの?」

 「2枚。Radio One(BBC)とXFMに1枚ずつ。あっ、でも、あとからもう1枚Radio OneのDJに送ったから、全部で3枚だね。」

 たった3枚だけ。しかもそれでその直後にカーディフでライブをする機会を得たり、ラジオ・セッションも収録。運もしっかりと持っているようで、最後に送った1枚がBeggars Banquetの人間に渡り、今回のレコード契約につながった。

 どうしてもライブは見てみたいし、できることなら、彼らの更なる「半年後」を調査すべく再び飛行機に乗れればよいのだが……。長期休暇を取るために毎回転職というのもそろそろ年齢的に無理がきているのも事実。「コドモじゃあるまいし。」と言われてしまう環境しかないのだろうか、ここには。



written by miyo


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