『エメラルド・カウボーイ』特集
第3回 何かでっかいことをしようぜ
先日の映画公開記念イベントで「私がこの映画で一つだけ自慢したいことがあるんですよ。それは全部本物を使って、映画の内容は全部本当にあったことだということなんです」と言っていた。もちろんこれは映画の主人公である早田英志氏の発言である。映画は別に本物であればいいというわけではないし、非現実であるからこそ魅力的に思える部分もある。しかし、この映画の説得力はなんだ。ひたすらリアルが顔面直撃である。そして最近語られる機会がめっぽう少なくなった"男のロマン"が大手を振って通用している。何かと珍しい作品がこの日本に届いた。
日本に届いたと言ったのは、この作品は既に全米公開されており現地コロンビアではハリウッドを脅かす大ヒットを記録しているから。日本の劇場公開は2月5日からである。映画の内容は、南米コロンビアでエメラルド・ビジネス界ナンバーワンになった日本人のドキュメンタリー映画といったところだろうか。コロンビアの人たちが自分の国で活躍している外国人のドキュメンタリーを観ているという状況は相当なことだと思うのですが、どうでしょう?きっと自分の国の壮絶さと、早田というコロンビアでは有名な日本人に興味があったのではなかろうか。
何かと「最も危険な地域での撮影」「ハリウッドの撮影スタッフが尻込み」「銃もタマも本物(ほんとらしいです)」など、そそられるキーワードが並ぶ映画だけれども、映画が始まれば見入ってしまうストーリー性がやはり一番の魅力。ノースウエスト航空、パンアメリカン航空のラインメカニックとして働いていた(もうその時点でグローバル)早田氏は、70年代に単身コロンビアへ。コロンビアの危険さとエメラルドの魅力に持ち前の冒険心が掻き立てられたのだという。危険は彼にとってむしろ魅力であったわけだ。そこでエメラルド商、通称エスメラルデーロの下積みをする。エスメラルデーロ女に逆ナンされ着実に経験を積み、信頼できる仲間もできる。それまでの過程で銃声は街中でバンバン鳴り響き、胡散臭い詐欺野郎に偽のエメラルドを売られそうになったりもする。コロンビアの女性と会って結婚したりもする。急展開である。
商売がウマくいきだすとそれはそれで大変な目にあう。「最高のエメラルドの原石をゲットしたぜ!」と喜んでいると当然のようにゲリラに襲われる。自分の子供が家から外に出るとゲリラに誘拐されそうになる。娘を鉱山見学に連れて行ってやるとゲリラに襲われる。ゲリラ三昧。しかし一番衝撃だったのは撮影中にゲリラに襲われた事実…危なすぎです!会社を持っても脅迫状が届いたり、社内に組合が進入してきたり生活は脅かされっぱなし。家族をアメリカに滞在させると、忙しくてなかなか帰らない早田氏に「あなたは仕事と私のどっちが大事なの!」的なお約束のセリフで板ばさみとなり終始ドタバタ。まさに男はつらいよ。
最後まで「こんなに色々なことが一人の人生で起こりうるのか」という詰め込みぶりであるが、本当であるという事実がやはり一番のインパクト。ゴールドラッシュの時のように夢を描いて単身コロンビアに向かった一人の日本人が、今では日本に輸入されるエメラルドの70〜80%を占める会社の社長になっている。これが地球の裏側で起こっている事実なんだと思うだけでゾクゾクっとくる。イベントで早田氏は言っていた「私は単に自分の半生を見せびらかしたくて映画をつくったんじゃないんです。この映画を観て、ひとりでも多くのひとが冒険したいと思ってくれればいいんです」と。地球の裏側から届けられた日本人のメッセージ。ボク達も何かでっかいことをしようぜってことなんだと思う。
追記
ちなみに早田氏が自ら採掘したエメラルドの原石が抽選で10名に当たる特別鑑賞券というのがあるらしい。10名にエメラルド!?みんな行った方がよくない?
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report by toddy and photos provided by Uplink
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