『エメラルド・カウボーイ』特集
第2回 変わった人たちが集まった -part1-
まったく何というイベントなんだろうか。代わる代わる強烈な人たちが出てくるもんだから可笑しくて。また会場が会場だからいっそう可笑しく、シュール感が増幅し、目がまわる心地であった。おかげで生涯このイベントを忘れることは無さそうだ。
会場は鴬谷の駅からちょこっと歩いた所にある。外から見ると"ギリギリの経営でなんとかやってる映画館"といった印象。ここ東京キネマ倶楽部は元々キャバレーだったこともあって、妖しぃ〜フレグランスが充満するかのような異空間。椅子の並び具合とかも、ね、接待感が漂うわけですよ。照明もそう。赤・青・紫とかじゃなくて緋色・群青・ヴェルヴェットォ〜な妖しさ2割り増しに見えるこの不思議。お客さんも、この不思議な空間をエンジョイしているようだ。あちこち指差し、はしゃいでいた。
オープニングDJはL?K?O。イルリメ君のバックも務める超絶DJがフロアを暖める。彼の支離滅裂ミックスを前にFatboySlimもBlackSabbathもあったもんじゃない。スクラッチでキュッキュとネタられてしまいゴタゴタロッキンブレイクビーツの完成。DJブース後ろのカーテン越しにチラ見する秘密博士に気を取られつつ、お客さんも比較的ゆったり楽しんでいたようだ。
次いで現れたるはDJ歌謡ショー担当、秘密博士。リハの時キャロルやなんかを回してたからてっきりそっち路線のDJかと思いきや、ターンテーブルの扱いがどこか危なっかしい。怪しいなと思っていた矢先、"また逢う日まで/尾崎紀世彦"のイントロが流れる。おもむろにマイクを構え、なんと!?歌った!気持ちよさそうに歌っている。歌謡曲と演歌を流してカラオケする。その存在の"か細さ"と、ひたすら独りカラオケを聴かせる"図太さ"が魅力の奇人変人であった。ちなみに、マイクを持つ手の小指は常に立っていた。
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written by toddy and photos by saya38
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