buttonお勧めクリスマスアルバム - part2 -

【2003年、シカゴとムーディー・ブルース】

 とまあ、割と定番を挙げていたのだけど、ネットを調べているといろんなものが出てきた。それがシカゴとムーディー・ブルースである。意外にもこの2者には共通点がある。

(1)60年代、先鋭的な音作りをしていた
(2)70年代、徐々にポップになっていった
(3)80年代にも大ヒットを飛ばした
(4)90年代、地味になって、今に至る。

 (1)はシカゴならロックにホーンセクションを導入して「ブラスロック」の代表格として活躍、鋭い政治的意識もこのバンドの個性だった。ムーディー・ブルースはロックバンドとして初めてフルオーケストラを競演したアルバムを残し(後にディープ・パープルが模倣した)、プログレッシヴ・ロックの走りとなる。(2)は、彼らの持つポップ体質がじわじわと出てきてヒットを連発して活躍したのがこの時代。(3)は一時期低迷していたのだけど、さらにポップな曲で起死回生の大ホームラン。シカゴは"Hard to Say I'm Sorry(素直になれなくて)"で、ムーディー・ブルースは"The Voice"で完全復活を遂げる。ただし、シカゴは"Hard to Say I'm Sorry"以降のバラード路線を「堕落」と見る人は多い。おれは大大大好きだけど。(4)は活動がマンネリ、新しい音楽の動きについて行けず、コンスタントに活動しているものの日本にはいまいち動きが伝わってこなくなる。

そして、彼らが2003年に出した結論がクリスマスアルバムである !(笑)

 まあ、シカゴは98年に出した『シカゴ25』に新たに曲を加えてジャケットを変えたものなんで純粋に2003年のものじゃないけれども。

The Moody Blue  まずは、ムーディー・ブルースの『December』。こちらはイギリスの暖炉がある家庭で迎えるクリスマス用である。"Happy Xmas (War Is Over)"や"White Christmas"などの定番曲、そして約半分はジャスティン・ヘイワードとジョン・ロッジによるオリジナル曲で構成されている。ちなみに某magフォトグラファーにはジョン・ロッジにナンパされたにも関わらず、そのお誘いを「これからレディオヘッドを観に行くから」と言ってお断りした人がいます。

 ジョン・レノンの"Happy Xmas (War Is Over)"のカヴァーや"Yes, I Believe"に現れているように、平和を祈るようなメッセージも込められている。絶品なのが"In The Quiet Of Christmas Morning"で、これはバッハのカンタータ第147番"主よ、人の望みの喜びよ"をアレンジしたもので、豪勢なストリングスとフルートが有名なメロディを奏でるところなんざ感動的ですよ。やっぱりプログレの人はクラシックの素養がありますね。このアルバムは初め聴いたときは「地味なアルバムだなあ」と思ったけど、何度も聴き込むうちにじんわりと包み込んでいくような温かみのあるアルバムであることに気付き、このごろは何度も聴いている。クリスマス抜きで素晴らしいアルバムなんである。

Chicago  一方、シカゴ『Christmas: What's It Gonna Be Santa?』はアメリカンな感じで、陽気なパーティー用のアルバム。基本的にクリスマス定番曲のカヴァーで、お得意のホーン隊も元気に鳴っている。中には"Jolly Old St. Nicholas"のように「おまえらはグリーンデイかよ!?」と思えるパワーポップなアレンジもある。しかも、この曲なんかいい年したオッサンであるシカゴのメンバーがそれぞれサンタにプレゼントをねだる(しかも「ジェイスンはフェンダー・ベースが欲しいってさ」とか自分の担当楽器を挙げていくという他愛のないもの)という内容なんだが…。いやぁ〜彼らの中に、いったい現実を把握している者はいるだろうか?でも、まあ年を取って子供に帰ってくというのは本当なのかも知れない。喧嘩別れしてバンドを出て行ったピーター・セテラも今年はクリスマスアルバムを出すようだし。確かに初期シカゴ至上主義者にしてみれば、このようなアルバムを出すこと自体が堕落の極みであるんだけど、おれにとっては「楽しければそれでいいじゃん」である。彼らのような派手なホーンセクションの音と、クリスマス・パーティーの雰囲気って非常に相性いいと思うし。先入観なく楽しめると思う。

-->part3

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